コラム

本田圭佑・南京事件騒動で置き去りにされた「一次資料」のモヤモヤ加減

2025年08月29日(金)21時15分
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今回のAIイラスト:資料の山を持ち前のドリブル力で高速突破! AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA DALL-E3

<歴史認識の「間違い」を素早く認め称賛された本田氏。「一次資料を詳しく調べた」という鉄壁の防御コメントに潜む危うさとは?プチ鹿島さんが考察します>

元サッカー日本代表・本田圭佑氏が8月9日、X(旧ツイッター)に以下の投稿をした。

「石原慎太郎さんのことが好きなこともあり、歴史のことは知ってたつもりだったものの、希望的コメントをしました。ただ一次資料などを詳しく調べたら、事実はほぼ歴史通りであると思いました。この点、僕の間違いでした(以下略)」


「間違い」とは戦時中の南京事件について石原慎太郎氏が「日本軍による40万人もの虐殺はなかった」と語る映像を「僕もそう信じてる」と引用したことを指す。

この件については、RKB毎日放送の「中国側のオーバーな『30万人犠牲者説』を否定するには、まず日本が事実を認めないと始まらない」と提言する記事が印象深かった。

さて、投稿から1日で速やかに訂正し「資料」を列挙した本田氏を褒める声がSNSで多くあったが、私にはモヤモヤする部分もあった。「一次資料」というキーワードだ。

いつ頃からかSNSでは論争になると「エビデンスは」「ソースは」「一次資料に当たったのか」というような言葉を見かけるようになった。まるで論争のテクニックのように。

そうした風潮の下「一次資料などを~」と先に言うことで本田氏は鉄壁な防御をしているように思えた。この言葉で「へー、本田すげぇな」と思う人もいるだろう。SNSに手慣れた人の強みを感じた。

プロフィール

プチ鹿島

1970年、長野県生まれ。新聞15紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く時事芸人。『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』(双葉社)、『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』(文藝春秋)、『芸人式新聞の読み方」』(幻冬舎)等、著作多数。監督・主演映画に『劇場版センキョナンデス』等。 X(旧Twitter):@pkashima

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