コラム

日本で保守派を巻き込んで同性婚を合法化する方法(パックン)

2022年12月23日(金)15時00分

もしかしたら、日本もこの手が使えるかもしれないと、僕は最近思っている。いや、一つの都道府県が同性婚を認めるという話ではない。もちろん、先月開始された東京都のパートナーシップ宣誓制度は意思表示として評価するが、アメリカと違って、日本では相続権や親権などは国の法律で定まっているので、自治体の制度はあまり関係ない。

そして、日本の裁判所も同性婚を認めないのは違憲だとしているし、もちろん本当は一刻も早く同性婚を認める国の法律を作ってほしい。だが、それがまだ無理だったら、第一歩の策として海外で結ばれた同性婚を日本が認めるというルール変更はいかがでしょうか。現状でも外国籍の同性婚をしたカップルには日本で一定の在留資格が認められているが、それを拡張し、日本国籍の方も対象となる形だ。

G7で日本だけ同性婚を認めていない

G7の国々の中で同性婚を認めていないのは日本だけ。先進国の価値観を共有する国、ダイバーシティを受け入れる国、外国人も暮らしやすい国。日本の保守派の中でも、そんな国を目指す方が多いはず。彼らもこの妥協案なら許容できるのではないだろうか。

ちなみに、ファスト・ウェディングといえばラスベガスが有名ですが、アメリカでは原則としてはどこでも数十分で、数十ドルで結婚できる。この日本の妥協案が通れば、GoToトラベルが終わっても、海外への同性結婚旅行も増えるだろうね。

まだ小さな第一歩だが日本の場合は、アメリカの同性婚合法化(またはハーラン家のおもちゃ返却)と違って、すでに手にしているものではないので、小さくてもありがたいクリスマス・プレゼントになるはずだ。

プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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