コラム

日本を変えるのはKYのチカラだ!

2015年05月20日(水)10時00分

 一流大学生でも、意見があっても言えない人が多い。そもそも意見がない人も多い。 学生だけではない。先生も社会人も同じ悩みを持っている人が少なくない。もっとも、恐ろしいのは悩んでいない人だ。なぜなら、彼らはそもそも自覚していないのだから。

 われわれが生きている時代には、意見とそれを伝えるコミュニケーションスキルが必要不可欠だ。テレビなどで毎日のように「この問題に関して国民の議論がまだまだ足りない」と叫んでいるけど、実際に国民が議論している姿って、めったに目にしないよね? あなたはTPPをどう思う? アベノミクスは? 憲法改正は? 日中関係は? 米軍基地移設問題は? イスラム過激派対策は? 厚切りジェイソンは?

 これらの質問を政治家やコメンテーターだけではなく、国民全員がし合って、応え合っていないとだめだと思う。はっきりした意見を持って議論しないと。

 しかし「出る杭は打たれる」精神にあふれた教育を受けてきた日本人が、そんなことがすぐにできるはずもない。はっきりした意見を言って目立つ人、ましてや目上の人に反論するような人は学校でも社会でも受け入れられづらい。でも今、そんな人材が必要になっている。21世紀のキーワードはKYだ!まあ、空気を読むのも大事なスキルだが、読みすぎるのは良くない。

 そこで、僕は立ち上がりたい...ちょっとだけ。このコラムでアメリカや世界のニュースを中心に取り上げていくが、日本の社会や政治について気になる点についても論点として挙げていこうと思っている。

 僕の考えが100%正しいとは保証できない。専門家ではない。また、必ずしも笑えるものでもない。お笑い芸人でもない......いや、お笑い芸人ではある。ちょっとは面白くしよう。

 でもとにかく、ここで僕の意見をはっきりと伝えていく。それをきっかけに、読者にも意見を持って近くの人と議論をするようになってくれれば最高にうれしい。

 そんなプロセスを経て、大勢のオピニオンリーダーが生まれて欲しい。指導者も読者も、英語で「リーダー」という言葉なのは偶然じゃない! いや、偶然だけど、気にしない。

 このコラムを読んでいる皆さんと一緒に日本の議論を引っ張って行こう! とにかく、これからこの連載を読んでくれるあなたの基本姿勢は、大きな声で意見をすぐに言うこと! そんなことができるのはニューズウィークの読者と幼稚園生ぐらいだからね。

プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

焦点:香港H株を押し上げる中国本土マネー、割安感と

ビジネス

テスラ、第2四半期納車台数は再び減少の見通し 競争

ビジネス

ユーロ圏製造業PMI、6月改定49.5に上昇 受注

ビジネス

訂正-独製造業PMI、6月49に改善 新規受注が好
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story