コラム

マスク姿は「ワクチン未接種」だと疑われる? ニューヨークの今

2021年05月26日(水)18時20分

パンデミックが始まって1年を過ぎ、いま再び興味深いのがマスク問題だ。マスクをするべきかしないべきかが連日テレビのトップニュース扱いで、ニューヨーカーは市長や知事の会見を固唾をのんで見守っている。マスクをコロナ感染初期にあれだけ拒否し、その後いきなりほぼ全員で着用し始めて、この期に及んでするしないで改めて大論争になっている。

僕が昔からマスクに慣れている日本人だからかもしれないが、ワクチンを打ってもまだまだマスクは必要だと思える。しかしマスクで自由を奪われることはアメリカ人にとっては大問題なのだ。そういう意味でもどんどんはずされていきそうな勢いだ。

僕のようにマスクをしていると、逆に「あの人はまだワクチンを打っていないのでは?」と疑惑の目で見られるようになり、住みにくささえ感じるような日が来るかもしれない。

面白いことに大手スーパーや飛行機でマスク続行派とマスク不要派に分かれて大論争になっていて、一部ではマスク着用を強いる企業の商品の不買運動さえ起きていた。

今ブルックリンの僕が住む地区ではマンハッタンに比べてまだマスク着用率が高い。これが何を意味するのか。そしていったいワクチン接種者の実態はどれくらいなのか、そこに住んでいる僕にさえも全くわからない。

プロフィール

大江千里

ジャズピアニスト。1960年生まれ。1983年にシンガーソングライターとしてデビュー後、2007年末までに18枚のオリジナルアルバムを発表。2008年、愛犬と共に渡米、ニューヨークの音楽大学ニュースクールに留学。2012年、卒業と同時にPND レコーズを設立、6枚のオリジナルジャズアルパムを発表。世界各地でライブ活動を繰り広げている。最新作はトリオ編成の『Hmmm』。2019年9月、Sony Music Masterworksと契約する。著書に『マンハッタンに陽はまた昇る――60歳から始まる青春グラフィティ』(KADOKAWA)ほか。 ニューヨーク・ブルックリン在住。

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