コラム

日本が新型肺炎に強かった理由

2020年03月16日(月)14時55分

つまり、社会が分断されており、移民およびそれに類する人々が社会の中では実質的に分離されているために、医療の問題や社会的な包容力の問題もあり、社会的に保守的でいられる人々の外で問題が広がり、もともと相互に理解、信頼がないから、外で感染が広がれば大きな恐怖感を持つし、それに対して、現場レベルの感覚がなく、合理的かつ草の根の丁寧な対応ができず、感染も広がるし、それに対する反応も当初無反応、一旦認知されるとヒステリックなまでの拒絶反応ということになっているのではないか。

英国の一部(多く?)で支持されている、むしろ先に感染率を上げておいたほうが社会としての免疫力が高まるという考え方は、植民地の疫病に対する政策を見ているようで、合理的な可能性もあるが、発想として、やはり異文化を感じる。議論している人々は、自分たちのまわりは、衛生管理が行き届いているし、感染を避ける余裕もあるから、相対的に感染率が低く、また感染しても、きちんとした医療が受けられるから、死にはしないから安全という背景があるのではないかと勘ぐってしまう。

日本政府の対応に対して建設的な批判、提言をすると同時に、日本社会の総合的な力、構造について、もう一度考えてみたいとおもう。

20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

プロフィール

小幡 績

1967年千葉県生まれ。
1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現財務省)入省。1999大蔵省退職。2001年ハーバード大学で経済学博士(Ph.D.)を取得。帰国後、一橋経済研究所専任講師を経て、2003年より慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應ビジネススクール)准教授。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。著書に『成長戦略のまやかし』『円高・デフレが日本経済を救う』など。

ニュース速報

ワールド

G20エネルギー相会合を10日開催、世界的な協調促

ワールド

ノルウェー、コロナ抑制策解除に着手 幼稚園・学校再

ビジネス

米財務長官、中小企業に冷静な対応呼び掛け 「支援資

ワールド

サウジ、新型コロナ感染最大20万人も 主要都市で2

MAGAZINE

特集:ルポ五輪延期

2020-4・14号(4/ 7発売)

「1年延期」という美談の下に隠れた真実── IOC、日本政府、東京都の権謀術数と打算を追う

人気ランキング

  • 1

    「コロナ失業」のリスクが最も高い業種は?

  • 2

    新型コロナの物資配給に「社会的距離ゼロ」のバングラデシュ

  • 3

    「コロナ後の世界」は来るか?

  • 4

    マスク姿のアジア人女性がニューヨークで暴行受ける

  • 5

    BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロ…

  • 6

    コロナで破局?ベビーブーム? 「自宅待機」で変わ…

  • 7

    コロナウイルスで露呈した中国の本性(一応、ジョー…

  • 8

    日本版ロックダウンでできること、できないこと

  • 9

    イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人…

  • 10

    新型コロナで都市封鎖しないスウェーデンに、感染爆…

  • 1

    BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロナウイルス拡大防止に

  • 2

    「コロナ失業」のリスクが最も高い業種は?

  • 3

    台湾人だけが知る、志村けんが台湾に愛された深い理由

  • 4

    ブラジル大統領ロックダウンを拒否「どうせ誰もがい…

  • 5

    日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?

  • 6

    日本が新型肺炎に強かった理由

  • 7

    ドイツ政府「アーティストは必要不可欠であるだけで…

  • 8

    人前で「コロナ」と言ったりマスクをするだけで逮捕…

  • 9

    中国からの医療支援に欠陥品多く、支援の動機を疑え…

  • 10

    新型コロナウイルスは、長年にわたるヒト-ヒト感染で…

  • 1

    一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ

  • 2

    日本が新型肺炎に強かった理由

  • 3

    「コロナ失業」のリスクが最も高い業種は?

  • 4

    BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロ…

  • 5

    ドイツ政府「アーティストは必要不可欠であるだけで…

  • 6

    日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?

  • 7

    韓国はなぜ日本の入国制限に猛反発したのか

  • 8

    新型コロナショック対策:消費税減税も現金給付も100…

  • 9

    フランスから見ると驚愕の域、日本の鉄道のあり得な…

  • 10

    豪でトイレットペーパーめぐって乱闘 英・独のスー…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!