コラム

「増税原理主義者を打破する機会」トランプ関税は日本の国難、だが災い転じて福となすかもしれない

2025年04月15日(火)18時55分

拡張的な財政政策の発動が、米国からの輸入を増やす手段に

この国難に、日本政府ができることは何か。赤沢亮正経済再生担当大臣とスコット・ベッセント財務長官との交渉を通じて、日本への関税賦課を低下させられるだろうか。

米国からの日本への要求である、農産物などの関税引き下げ、日本独自の規制見直しなどは日本経済自身にとって望ましい対応である。これらの既得権益が、外圧によって縮小できるのだから、国難をうまく利用すればいいだろう。

一方、交渉相手の米国側の事情があるのだから、日本側の意向が多くは通らないと考えた方がいいだろう。

ただ、トランプ政権が貿易赤字を問題にしているのだから、それを是正するために日本ができることは対米輸入を増やすことである。軍用機などの購入はさらに増えるだろうが、輸入を大きく増やすには、金融財政政策をしっかり発動して経済成長を高めることにコミットすればよい。

具体的には何か。まずは、追加利上げに「前のめり」な日本銀行に対してけん制することだろう。

そして、国民民主党など野党が減税政策を提示しているが、大規模な減税政策を軸にした拡張的な財政政策の発動が、米国からの輸入を増やす手段になる。自民党の政治家らは一人当たり5万円などの現金給付を検討している模様だが、一時的な現金給付よりも、恒久的な減税が経済成長を刺激するのは明らかである。

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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