コラム

「ADULT K-POP」トロットの魅力を世界に広める男性4人組・K4 個性派ぞろいのグループの魅力に迫る

2024年07月09日(火)12時00分
K4メンバーのキム・ヒョンミン、オ・ジュジュ、リュ・フィリップ、チョ・ジュン

左よりキム・ヒョンミン、オ・ジュジュ、リュ・フィリップ、チョ・ジュン

<日本でもブレイクが期待されるトロットの魅力を伝えるイケメングループK4に単独インタビュー>

韓国の演歌・歌謡とも呼ばれるトロット。近年の盛り上がりについては前回のコラムで紹介した通りだが、日本における同ジャンルの推進役として日々奮闘している男性ボーカルグループ・K4も、今どきのトロットを語るうえで押さえておきたい存在である。

2023年秋に日本進出を果たし、今年春から本格的な活動を展開している彼らは、全員が韓国のオーディション番組「ハロートロット」(2021年11月~2022年2月、MBNで放送)の出身者だ。同番組で優勝したオ・ジュジュを筆頭に、かつてソロ歌手として舞台に立ち、ボーカルトレーナーとしても豊富な経験をもつキム・ヒョンミン、ソウル大学声楽科を卒業したチョ・ジュン、アメリカ出身で以前はアイドルグループの一員だったリュ・フィリップと、メンバーは実力派ばかり。

3月末にリリースした日本デビュー曲『Love Storm -Japanese version-』は、彼らの洗練された魅力を生かしたサウンドが功を奏し、5月8日付のUSEN演歌/歌謡曲リクエストランキングで1位に。そして8月には早くも単独公演を開催。道なき道を歩み、着実に成長していく姿は実に頼もしい。

トロットの普及に努めるK4は今、何を考え、何を目指しているのか。プロモーション活動の合間を縫って所属レコード会社に集まってくれた4人に現在の心境を聞いてみた。

──これまでの日本活動を振り返ってみて何か思うことはありますか?

リュ・フィリップ(以下、フィリップ) すべてが楽しい時間でした。ステージで歌えること。歌手にとってこれ以上の幸せはありません。

オ・ジュジュ(以下、ジュジュ) 日本との出会いは運命だと思いましたね。

キム・ヒョンミン(以下、ヒョンミン) おかげさまで日本の四季をすべて経験できました。季節ごとに良い思い出がたくさんあります。永遠に繰り返す四季のように、私たちK4も永遠でありたいと願うようになりました。

日本のファンは目を合わせて気持ちを伝えてくれる

──韓国の歌手にインタビューすると、「日本のファンは他の国と比べて静かに聴くタイプが多い」というコメントが多いのですが、K4のファンは雰囲気が少し違いますね。みなさんはどのような印象をもっていますか?

ジュジュ 日本で歌い始めた頃は静かに聴く方がほとんどだったのですが、韓国でやっている応援の仕方を動画配信サイトでチェックしてくれたのか、徐々に変わっていったような気がします。今は日本と韓国をミックスした応援になっていて、それがとてもいい感じなんです。

ヒョンミン 韓国の人は一緒に踊って盛り上がる場合が多いのですが、日本のみなさんは目と目を合わせて楽しい気持ちを伝えてくれます。そんな違いを僕たちも楽しんでいます。

──日本にいるときは4人一緒に住んでいると聞きました。異国での生活は大変なことも少なくないと思いますが......。

ヒョンミン 大変じゃないと言えば嘘になりますが、それは単に環境が変わったためだと考えています。夢を叶えるために努力するのは大変ではありません。疲れたときはファンの方々に癒してもらっています。

ジュジュ このメンバーだからこそがんばり続けることができたような気がします。あとファンのみなさんの情熱的な応援も支えになっていますね。

プロフィール

まつもとたくお

音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を始め、数々の専門誌・ウェブメディアに寄稿。2012年にはK-POP専門レーベル〈バンチョーレコード〉を立ち上げ、イ・ハンチョルやソヒといった実力派を紹介した。現在は『韓流ぴあ』『ジャズ批評』『ハングルッ! ナビ』などで連載。LOVE FMLuckyFM楽天ポッドキャストの番組に出演中。著書は『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』(イースト・プレス)ほか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ソマリランドを初の独立国家として正式承

ワールド

ベネズエラ、大統領選の抗議活動後に拘束の99人釈放

ワールド

ゼレンスキー氏、和平案巡り国民投票実施の用意 ロシ

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story