コラム

<3分解説>イスラエルってどんな国? 国名の語源は「神と競う者」、飛騨高山にヘブライ語の観光案内がある理由は

2023年10月28日(土)18時03分

景勝地

死海...死海の塩分濃度は一般の海水の10倍の約30%と高く、浮力が大きいため人が簡単に浮く

死海(写真AC)

嘆きの壁...滅ぼされたかつてのユダヤの王国の神殿のうち、現存する外壁。聖都の壊滅を憂うユダヤ教徒らが神聖視。東エルサレムにある

嘆きの壁(写真AC)

テルアビブ・ヤッファ...商都テルアビブにある港町

テルアビブ・ヤッファ(写真AC)

著名人

ユヴァル・ノア・ハラリ(1976年~)...『サピエンス全史』『ホモ・デウス』などの世界的ベストセラーで知られる歴史学者。イスラエル北部ハイファ地区キリヤット・アタ出身

ダニエル・カーネマン(1934年~)...2002年にノーベル経済学賞受賞の心理学者、行動経済学者。テルアビブ出身

ナタリー・ポートマン(1981年~)...エルサレム出身の女優、映画監督。『スター・ウォーズ』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などのシリーズに出演。3歳のときに米国へ移住、本名はナタリー・ヘルシュラグ

ユリ・ゲラー(1946年~)...日本でも有名となったスプーン曲げなどの超能力者として知られる。ハンガリー系ユダヤ人の家庭に生まれる
※ このほか、ユダヤ人としては世界中に著名な経営者や学者が多数

トリビア

 これだけ知っていれば"通"気分

●ヘブライ語は旧約聖書の言葉であり、話し言葉としては2000年もの間使われていなかった。イスラエル建国に合わせて公用語化。古代エジプトで当時、「移り住んできた民」を意味する「ヘブル人」と呼ばれていたユダヤ人の使用言語にちなむ

●キャンプファイヤーやフォークダンスで定番の『マイム・マイム』(Mayim Mayim)はイスラエルの楽曲。マイムはヘブライ語で「水」を表し、有名な"Mayim mayim be-sasson"(מים מים בששון)は旧約聖書の一節に由来し、「あなた方は水をくむ」といった意。世界中に離散していたユダヤ人がイスラエルの地で自分たちの国を作ろうという「シオニズム運動」の文脈において、「開拓地で水を掘り当てて喜ぶさま」を表しているとされる

●国名イスラエル(Isra-el)は「神と競う者」といった意味("el"<神>、"Isra"<競う>)

●国旗の中央にある「ダビデの星」はユダヤの伝統的なシンボル。青はユダヤ教高僧の肩掛けの色で、白は清い心を表す

●「飛騨高山」で知られる岐阜県高山市は全国的に珍しいヘブライ語の観光マップを作成。ナチスに迫害されていた多くのユダヤ人へビザを発給して亡命を手助けしたことで知られる杉原千畝ゆかりの地の縁で、高山を訪れるイスラエル人の急増が背景

姉妹都市

自治体名:大分県 日田市
提携自治体名:メギド町
提携年:1970年
概要・経緯:1969年に日田の青年をメギドのキブツ(農業協同体)へ派遣。メンバー共同生活を通じ、友好親善の機運が高まった

※記事中の数値や史実は、主に外務省ホームページ「国・地域>基礎データ」に準拠、「過去の万博」は過去の開催概要の記載・説明に準拠

プロフィール

くらふと

主に小中高生向けに異文化理解や世界の諸問題に関するワークショップなどの活動を行う東京外国語大学のボランティアサークル。(協力:南龍太)
Instagram:@tufs_kraft
X:@TUFS_KRAFT

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイのシリキット王太后が93歳で死去、王室に華やか

ワールド

トランプ米大統領、日韓などアジア歴訪 中国と「ディ

ビジネス

アングル:解体される「ほぼ新品」の航空機、エンジン

ワールド

アングル:汎用半導体、供給不足で価格高騰 AI向け
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...装いの「ある点」めぐってネット騒然
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月29日、ハーバード大教授「休暇はXデーの前に」
  • 4
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 5
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 6
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 7
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 10
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story