コラム

無差別殺傷事件は6月に多発... 日本がいまだ「自爆テロ型犯罪」に対して脆弱な理由

2023年06月02日(金)18時50分

もちろん、ひったくり犯や誘拐犯も、犯行後に全速力で逃げられなくなる。

このように、ハンプも、犯罪機会論的に言えば、守るべき場所を、自動車が「入りにくい場所」にする工夫なのである。

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フィジーのハンプ 出典:『写真でわかる世界の防犯 ──遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)

ハンプは世界中の道路で見られる。巨石像モアイで知られるイースター島にもある。イギリスでは、「DIYストリート」という草の根プロジェクトで、住民によるハンプ設置も認められている。

しかし、日本では、2001年の道路構造令の改正によりハンプの設置が認められたにもかかわらず、普及は進んでいない。

こうした防犯対策を日本人が採用しない理由としては、3つの「M」が挙げられる。「もったいない」「むずかしい」「めんどうくさい」の3Mだ。犯罪機会論のコンセプト「防げる犯罪は確実に防ぐ」を実現できるかは、この3Mを克服できるかどうかにかかっている。なぜベストを尽くさないのか──犯罪機会論はそう問いかけている。

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プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。

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