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「化石燃料からの脱却」ロードマップ、COP30議長国ブラジル提案に足りなかったもの...日本は慎重
化石燃料の「使用停止・段階的廃止」を明記せず「依存の克服」というあいまいな表現にとどまっているため、市民社会や環境団体から「弱すぎる」と批判が出ている。「ロードマップを作る」こと自体が目的化して「実際に化石燃料を減らす」措置が明確になっていない。
英独が主導、コロンビアが産油国として参加した「脱化石燃料ロードマップ」支持連合も正式に発足した。ブラジル提案を歓迎する一方で「明確なスケジュール、期限、マイルストーンを文書に入れなければ意味がない」と具体性を要求している。
化石燃料の「段階的廃止」具体化への政治的気運
他に参加したのは欧州連合(EU)加盟国、太平洋島嶼国、アフリカ、南米の複数国、アジアのバングラデシュ、ネパールなど気候脆弱国で支持国は84カ国に達した。「段階的廃止」を具体化しようという政治的気運が一気に強まった。
「化石燃料からの移行は不可避。期限のないロードマップは地図ではなく願望に過ぎない」(EU)、「ドバイのCOP28で約束した 『化石燃料からの脱却』 を今年ベレンで実行段階に移す必要がある。タイムラインは不可欠だ」(英国)という。
コロンビアは日量約100万バレルの産油国で、通常なら「段階的廃止」に反対する側だ。しかし「化石燃料の段階的廃止について明確なスケジュールを支持する」と賛成に回った。「産油国ブロック」の一角が崩れた格好だ。
段階的廃止を拒否する米国は不在。EUは反動でブラジル提案の強化を求める。AOSIS(小島嶼国連合)は「タイムラインがなければパリ協定の1.5度目標は死ぬ。これはわれわれにとって生死の問題」と訴えた。化石燃料と森林を同時に議論するブラジルの戦略も奏功している。






