コラム

ロシア軍事パレード、昨年からの「大きな変化」が示すプーチンの心情...中露の結束もアピール

2025年05月10日(土)17時01分
中ロの結束をアピールした習近平とプーチン

モスクワで軍事パレードに出席した習近平国家主席とプーチン大統領(5月9日) Sergei Bobylyov/Host agency RIA Novosti/Handout via REUTERS

<ウクライナ侵攻で使用される自爆ドローンや第3世代主力戦車も公開。プーチンと習近平は隣同士に座り、西側の綻びを浮き彫りにした出席者も>

[ロンドン発]「大祖国戦争」(第2次大戦)での対独戦勝80周年を祝う軍事パレードが5月9日、モスクワの「赤の広場」で行われた。ロシアと友好関係を保つベラルーシなど旧ソ連構成国や中国、ベトナム、エジプト、ラオス、モンゴル、ミャンマー軍も隊列に加わった。

ウクライナ戦争のため昨年までパレードは大戦時のT-34戦車が1両、出席者もプーチンの側近に限られていたが、80周年に合わせてロシア健在を世界に印象付けるため、55の儀礼部隊、ウクライナでの「特別軍事作戦」に従事した1500人超を含む1万1500人以上の兵士が参加。

T-34戦車に加え、第3世代主力戦車T-90M、自走砲SU-100部隊、短距離弾道ミサイル9K720イスカンデルなど約180両が行進。ウクライナ戦争で使われている偵察無人機オルラン10やイランで設計された自爆ドローンのゲラン2も公開された。

プーチン「真実と正義はわれわれの味方」

ウラジーミル・プーチン大統領は「ロシアはナチズム、ロシア嫌悪、反ユダヤ主義に対する不屈の障壁であり続ける。攻撃的で破壊的な思想の擁護者の暴力に立ちはだかる。真実と正義はわれわれの味方だ」と一方的な侵略でしかないウクライナ戦争を改めて正当化した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー

ビジネス

韓国クーパン創業者、顧客情報大量流出で初めて正式謝

ワールド

中国万科の社債37億元、返済猶予期間を30日に延長

ワールド

中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 30日に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story