コラム

ロシア軍事パレード、昨年からの「大きな変化」が示すプーチンの心情...中露の結束もアピール

2025年05月10日(土)17時01分

中国の習近平国家主席、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダシルバ大統領を招き、ロシアがグローバルサウスの主要国であることをアピール。スロバキアのロベルト・フィツォ首相の出席は西側の綻びを浮き彫りにした。朝鮮人民軍の将軍ともプーチンは握手を交わした。

プーチンと習主席はクレムリンでの会談後、新時代に向けた包括的戦略協力パートナーシップのさらなる深化に関する共同声明に署名した。世界戦略の安定に関する共同声明や国際法の権威維持のための協力のさらなる強化に関する共同声明も発表した。

「戦勝を祝ったこの日、プーチンはおそらく満足している」

人民日報系国際版、環球時報の社説(10日付)は「米国は複数の国連機関や国際機関から脱退し、貿易戦争の脅威により世界市場を混乱させている。こうした動きは国際社会の懸念を一層深めている」とグローバルサウスが求める公平性や正義を体現する中露の結束を強調した。

英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のマーク・ガレオッティ上級研究員は英誌スペクテイターへの寄稿(9日付)で「ロシア人の大多数はウクライナとの和平交渉を望んでいる。SNSには『赤の広場の戦車は子供たちの将来によって支払われている』と書き込まれている」と指摘する。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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