コラム

ロシア軍から首都を「死守」せよ! 抵抗組織リーダーが語る「キエフ攻防戦」の現実

2022年03月16日(水)11時55分

──プーチン氏はキエフを破壊するつもりか

「プーチン氏はキエフがどうなろうが全く気にしないだろう。捕虜になったロシア軍の兵士や将校は、産科病院を攻撃したのはロシア軍ではなく、ウクライナ軍だと信じている。それほど事実が歪められ、洗脳されている。これが市民社会に対する戦争なら、きっと自由世界が生き残るはずだ。ロシアでは100以上の民族が政府に弾圧されている。抑圧されたロシアの先住民を解放しなければならない」

「マイダン革命では100人以上が犠牲になった。私たちはプーチン氏を訴追する特別委員会を設置した。彼らが私たちを絶滅させたいと望んでいることを理解している。プーチン氏はオリジナル(キエフ大公国の発祥の地であるウクライナ)を破壊して、コピー(ロシア)がオリジナルであるように装いたいのだ。プーチン氏を動かしているのは文明社会への恐怖だ。しかし、それはプーチン氏に限った問題ではない。明日、彼がいなくなってもプーチン2.0が現れるだろう」

──ロシア軍の士気が低いのはなぜか

「侵攻が始まった時、私たちはロシア軍の戦術に驚かされた。彼らは隊列を組んで進んできた。われわれは迎え撃ったが、彼らは部隊を再編成しなかった。捕虜になったロシア兵の話では、湿地を移動する準備をしておらず、幹線道路に沿って移動してきた。彼らはベラルーシで演習に参加すると言われ、携帯電話を取り上げられた。国境を越えた時、地元のウクライナ市民に歓迎されると信じていた。彼らはプロパガンダを信じていたのだ」

「捕虜になった時、丁寧な扱いを受け、驚いたそうだ。ロシアの家族に電話をかけたり、必要に応じて医療を施されたり、法的な支援を受けたりできたからだ。心配なのは捕虜になったロシア兵が解放され帰還を許されたとしても故郷には帰れないことだ。軍の撤退を防ぐため、彼らは投降した罪で殺されるだろう。彼らは全体主義の犠牲者だ。自分たちの運命、未来、子供たちを奪われていることをまだ理解していない」

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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