コラム

国力を削ぐ「人口減少」問題は、「移民の受け入れ」では解決できない

2021年12月15日(水)17時33分

生産に従事する国民が減っているのであれば、産業の機械化やデジタル化を進め、より少ない人数で同じ生産を維持できればGDPは減少しない。付加価値が低く、国内で生産することが割に合わない財については、輸入でカバーすればよく、むしろ国内産業を付加価値を高める方向に誘導すべきである。その意味で、単純労働者の大量受け入れは、状況をさらに悪化させてしまう可能性をはらんでいる。

大量の外国人労働者が入国すれば、国内の賃金はさらに下がる。企業は機械化やデジタル化を進めるよりも低賃金な労働者を雇うことでコストダウンが可能となるので、イノベーションも阻害してしまうだろう。

日本はデジタル投資を軸にした消費主導型経済に舵を切るべきであり、安易な移民受け入れは、そうした流れに逆行しかねない。永住も視野に入れることを考えると、もし受け入れを実施するのなら、子供の教育支援など総合的な対策は必須だ。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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