コラム

日本経済、低迷の元凶は日本人の意地悪さか 大阪大学などの研究で判明

2021年05月12日(水)11時48分

従来の経済学では、人間は合理的であるとの大前提があり、内面には立ち入らない基本原則があった。このため、メンタルな部分についてはあえて触れないでいたわけだが、多くの専門家が、日本が消費経済を拡大できないことにはメンタルな部分が影響しているのではないかと疑っていた。

一連の研究結果は、何となく分かっていた事実を改めて顕在化したものと考えてよいだろう。大阪大学はこうした新しい研究を積極的に行っており、同大学の別の研究グループによると「新型コロナウイスルに感染するのは自業自得だ」と考える日本人の比率は11.5%と、中国の4.83%やアメリカの1%などと比べて突出して高かった。

複数の研究が似たような結果を示していることの意味は大きい。消費経済低迷の根本原因がメンタルにあるのだとすると、厄介な問題ではあるが、逆に考えれば、この部分さえ改善できれば、劇的な効果が期待できるということでもある。

これからの時代はますます消費経済が成長のカギを握る。日本を再び成長軌道に乗せるには、社会全体での改革が必要なのかもしれない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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