メルカリに続き楽天も中国IT大手と提携 「日中EC融合」で何が起きる?
一方、人口減少問題に直面している日本の事業者にとっては、東南アジアと中国の市場を開拓できることは大きな魅力だろう。だが政治的には全く逆の動きが進行中だ。
ドナルド・トランプ前米大統領は中国からの輸入関税を引き上げ、これをきっかけに米中の分離(デカップリング)が進んだ。バイデン政権も引き続き中国とは敵対的なスタンスであり、世界経済のブロック化がさらに進展する可能性が高まっている。中国は着々とアジア地域に独自の経済圏を構築しつつあるが、ブロック経済下においては、近隣諸国が統一経済圏を構築する傾向が強くなる。
そもそも欧米の生活様式に慣れた一部の日本人しかアメリカのサイトで積極的に買い物はしないし、アメリカ人も日本のサイトで商品は買わない。消費活動では、アジア圏内のほうが圧倒的に親和性が高い。米中の対立激化で政治的には日本と中国に距離が生じる一方、消費市場は日中の一体化が進むという皮肉な状況となりつつある。

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