コラム

米国債デフォルトに怯えるトランプ......日本は交渉カードに使えばいい

2025年05月13日(火)15時30分

日本は米国債を約1兆1000億ドル保有する。将来のドル売り介入に必要な分は除いて、残りを永久国債に換えても困らないだろう。これをカードに、関税やその他の問題と「取引」すればいいのだ。

米国債もさることながら、GDPの2年分も堆積し、金利上昇で利払いがじりじりと増加している日本国債こそ危機寸前だ。外国の格付け会社が日本国債の格付けを下げると、日本の銀行がドルを入手するときプレミアムを付けられ、円切り下げと同じことになる。それは、ハイパーインフレの口火を切りかねない。日本こそ、永久国債、それも中世ベネチアのように年金にもなるものを売り出してはどうか。


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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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