コラム

去り行くトランプ時代が世界に示した「近代の終焉」

2020年11月11日(水)16時30分

われわれは戦後75年、安全保障でも経済でもアメリカに大きく依存して、その枠組みの中でちまちまと「飯を食う」ことばかり考えてきたが、この枠組みは溶融しようとしている。日本人は自ら新しい枠組みを考え、チャレンジし、「他人の食う分の飯も作る」意気込みを持たねばならない。しかし、言うは易く行うは難し。政財官学メディア、現状を見ると目の前が暗くなる。

トランプ時代は最後に「大爆発」を起こすだろう。金持ち優遇の大減税をしつつ国防費などの大盤振る舞いで野放図に拡張した財政赤字や株価押し上げのための大金融緩和は、いずれ不良債権を大量に表面化させ新たな金融恐慌を起こすからだ。

その時、世界の経済覇権は中国に移る?いや、それはない。中国経済は販路、資本、技術のどれを取ってもアメリカに大きく依存している。だからアメリカで金融危機が起こったら、世界全体が仮死状態に陥って、その後は?──。金(きん)でも買って、ちまちまと蟄居することにしよう。コロナ感染者もまた増えてきたし。

<2020年11月17日号掲載>

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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