コラム

安倍外交、活発に外遊しても世界に認められない...「見える化」の処方箋

2019年12月24日(火)16時30分

夏には東京五輪がある。直前には福島原発の汚染水や対韓国問題で世界のメディアが日本をたたくだろう。だが始まってしまえばそれも収まり、五輪は日本社会の成熟度を世界に示す良い機会となろう。

日本が自分の判断で外交を進めるには、それを支える体制の整備が必要だ。戦前のように軍部と政府機関がバラバラのまま戦争に突き進んだ悲劇は回避しなければならない。

現在、重要な外交問題では、首相の下に主要省出身の幹部たちが集議する例が多い。これは、さまざまな見方を総合しつつ物事を迅速に決定するのに適したやり方だ。

しかし、時には相争う幹部たちの見方を総合して判断を下す器量を備えた政治家は、簡単には出ない。ポスト安倍を考え、後任者の器量に応じて、柔軟に組み替えられる「レゴ」のようなシステムを考えていかねばなるまい。

<2019年12月31日/2020年1月7日号掲載>

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2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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