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新疆ウイグル問題が暗示する民主主義体制の崩壊......自壊する民主主義国家
これまでの民主主義は新しい技術や仕組みを取り入れるのが困難
これに対して中国を中心とするグループは政府のデジタル権威主義の中に全てを取り込んでいるため、大きな遅延なく新しい技術を反映した政治、施策を打つことができる。中国の山東省浜州市ではVRを利用して忠誠心を確認しているほどだ。権威主義は監視資本主義と相性がいいのでデジタル権威主義に進化したが、これまでの民主主義は監視資本主義とは価値観が異なるため相性が悪く混迷している。
そもそも監視資本主義は時代から取り残された民主主義国家で、法規制の隙間をついて暴利を貪るために生まれた徒花である。「監視資本主義」という言葉を世に出したShoshana Zuboff、元ケンブリッジ・アナリティカメンバーだったクリストファー・ワイリー、オクスフォード大学のThe Computational Propaganda Projectのリサーチ・ディレクターでデジタルプロパガンダの研究者であるSamuel Woolleyのいずれもが法規制の必要性を説いている。民主主義には正しく技術を利用するための体制ができていないのだ。そして法規制の前に社会そのもののあり方を見直す必要がある。
これまでの民主主義は、構造的に新しい技術や仕組みを取り入れるのが困難であり、その問題が近年になって露呈しているのはIT技術がこれまでにない速度で発展し、社会への影響力を強めているからである。構造的に追いつくことができない以上、民主主義のあり方を変えなければ社会の仕組みが崩壊する。いずれにしても今の従来の形で民主主義を存続させることは難しい。
民主主義国家の自壊
民主主義の衰退を招いているのは、中国を中心とする権威主義の台頭ではない。あくまで結果として、そうなっているだけで、新しい民主主義の姿を提示できないために、自壊していると考えた方が自然だ。さもないと我々は、「正しいのはこちらのはずなのに、多数決では常に負ける」状況を何度も目にすることになり、気が付くと経済制裁も効果がないほどに相手の経済規模が拡大し、圧倒されている世界を遠からず目にすることになる。繰り返しになるが、すでに人口では民主主義は過半数を割っている。しかも大幅な人口増加が予想されているのは主として非民主主義の国々だ。放置すれば世界がどうなるかを予想するのは難しくない。
民主主義を守ろう! 民主主義が危機に瀕している! という声をよく聞くようになった。しかし必要なのは新しい民主主義を作ることだ。これまでと同じ民主主義を守ることは困難であり、この状況を打開することはできない。
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