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アメリカ発「陰謀論が主流に」──民主主義と情報の未来、日本は対岸の火事か?

FTiare -shutterstock-
<グローバルノースの民主主義国が世界の中心であった時代が終わった...>
これまでの国際世論はアメリカを中心とした欧米、グローバルノースのメディアや著名人によって形成されてきた。たとえば我々はCNN、ニューヨークタイムズ、BBCがアメリカ大統領や科学者の発言を聞いて、それを世界の多数が正当と感じている意見だと感じるし、日本のメディアもそのように報道することが多い。
日本においては、特にアメリカの大手メディアや著名人の言うことを国際世論と感じる風潮がある。
そのためロシアが民主主義国に対して世論操作を行おうとした場合、工作しやすい弱小のメディア、ローカル・メディア、SNSを中心に展開することになる。そこから何段階かを経て、大手メディアや影響力を持つ著名人がとりあげ、社会に広く知られるようになる。
これを整理したのがこの分野で先駆的な調査研究を行ってきたベン・ニモで、彼はデジタルフォレンジック・リサーチラボ、グラフィカ、Meta、openAIでデジタル影響工作を担当し、ブレイクアウト・スケールというこの枠組みを使って影響の程度を評価してきた。
しかし、グローバルノースの民主主義国が世界の中心であった時代が終わってしまったため、このブレイクアウトスケールはじょじょに環境にそぐわなくなってきている。国の数でも人口でも非民主主義ではない国の方が多いのだ。
トランプ政権のアメリカが非民主主義化すれば(すでにしているような気もするが)経済規模でも非民主主義国家の方が多くなるだろう。
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