コラム

日本にはまだ石原慎太郎が必要だ

2010年03月22日(月)09時21分

今週のコラムニスト:李小牧

 先日、石原慎太郎知事が来年の都知事選について「場合によってはやるよ、また」と発言した。彼一流の含みのある言い方だが、かなり前向きだと考えていい。石原ストーカー(笑)の李小牧が言うのだから間違いない。

 4選出馬して当選すれば、オリンピック招致レースにも再び参加することになるだろう。オリンピックだけでなく、今や築地移転も暗礁に乗り上げている。この2つの目玉事業が実現しないうちに辞めるのは石原知事らしくないと思っていたから、続投を目指すのはある意味で当然と言っていい。

 かねてから進言していた通りになるのだから、ストーカー冥利に尽きるというものだ。石原知事は今年77歳。4期目が終わるころには82歳になっている。大変なおじいちゃんだが、心配することはない。わが故郷の大先輩、毛沢東は82歳で死ぬまで権力を手放さなかった。「東京の毛沢東」(笑)石原慎太郎が十分その重責を担えることは私が保証する。

 ただオリンピック招致と築地移転の実現だけではダメである。この2つの事業はいわばこれまでの「借金」。例え石原知事が当選しても、新しいことにチャレンジしなければ東京の老化が始まってしまう。

■4期目は東京万博の開催を目指せ

 私は石原知事に「東京万博」の開催を提案したい。いま中国は5月に始まる上海万博で大いに盛り上がっている。上海万博の来場者は7000万人にもなるという。それだけの人が半年の間に東京を訪れてくれたら、わが歌舞伎町はもちろん東京、さらには日本全体に十分なお金と活力が行きわたる。

 もちろん東京で万博を開いたからといって、簡単に7000万人が集まるわけではない。ただアイデアがよければ不可能な数字ではない。05年の愛知万博でも2200万人を集めた。大阪万博の6400万人は難しいかもしれないが、東京なら目標5000万人規模の万博はできるはずだ。今の日本には盛り上がれるイベントが必要である。

 東京万博のテーマには「人間」がふさわしい。ハイテクでエコでもなく、人間についての博覧会にする。人間を描く小説家の石原知事はいわば人間のプロ。プロの眼で選んだすばらしい世界の人間たちを紹介することで、新しい万博のかたちも世界に提示できる。何なら中国館で李小牧を動物園のパンダのように展示してもかまわない。

 日本館で紹介するのは日本人の「底力」。日本が世界に誇るべきなのは、家電製品でも自動車でもアニメでもなく、戦後の焼け野原から世界第2位の経済大国を築いた日本人そのもの。それを一番よく知る石原知事を展示してもいいかもしれない(笑)。

■石原知事と毛沢東の「共通点」

 この「東京人間博」は当然、最高の人材交流の場になる。少子化と高齢化が進む日本にはこれから優秀な外国移民が欠かせない。日本政府は外国人参政権だけでなく、税金や国籍取得の面でも優秀な外国人を優遇する政策を取るべきだ。そのうえでこの人間博を世界に向けて「開かれた国、日本」を宣言する場にすればいい。

 上海万博は会場内に黄浦江が流れるが、東京万博は東京湾に面した場所を会場にすることで、世界とのつながりをアピールできる。世界初の人間博を成功させればノーベル平和賞だって取れるかもしれない!

 私が石原知事を好きなのは、わがままさとナルシストぶりが自分と似ているから。自分がいいと思ったことは誰が何と批判しようがやめないのは、私もそうだが毛沢東も同じである。

 決して皮肉ではない。だからこそ毛沢東は新中国を成立させることができた。私が歌舞伎町で生き延びてこられたのも、超ポジティブ思考のお陰。頼みのトヨタまでたたかれ再び自信を失いかけている日本人に必要なのは、石原知事のわがままさとナルシストぶりだ。

 東京で万博が開かれたあかつきには、一番のファンとして「石原慎太郎案内人」を務めさせていただくことをお約束する。きっと中国人の石原知事に対する誤解も解けるだろう(笑)。

プロフィール

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・李小牧(歌舞伎町案内人)
・クォン・ヨンソク(一橋大学准教授)
・レジス・アルノー(仏フィガロ紙記者)
・ジャレド・ブレイタマン(デザイン人類学者)
・アズビー・ブラウン(金沢工業大学准教授)
・コリン・ジョイス(フリージャーナリスト)
・ジェームズ・ファーラー(上智大学教授)

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