コラム

韓国クレーンゲーム大ブームが思わぬ方向へ 何が問題に?

2017年05月31日(水)17時02分

ソウル市九老洞のゲームセンター「景品を買えばいい」という声も聞こえるが…… 

<今、韓国でブームになっているのがクレーンゲーム、日本でいうところのUFOキャッチャーだ。流行に敏感で、何事にも熱中しがちな国民性のせいで、たかがゲームと言ってすませられない問題も起きている──>

この頃韓国では再びクレーンゲームが人気を集めている。クレーンを使ってぬいぐるみをキャッチするゲームのことで、日本でいうUFOキャッチャーである。オンラインゲームばかりしていた韓国の小学生から大人まで、今はクレーンゲームに夢中になってしまった。SNSの洪水でインターネットに疲れた人たちが逆にアナログの時代に戻りたくなったのかもしれない。今ではスーパーの前にも、食堂の前にもクレーンゲーム機は必ず置いているほどの人気ぶりだ。

かつて日本でUFOキャッチャーの攻略法や達人が話題になっていた時のように、韓国の地上波放送のバラエティー番組ではぬいぐるみをキャッチする技を紹介したり、芸能人らがクレーンゲームで勝負する番組が増えた。YouTubeにも数々のクレーンゲーム名人が登場した。地上波放送の番組には「クレーンゲームの達人」が出演、どんな角度からも狙ったぬいぐるみは逃さない神業を披露して話題になっている。



クレーンゲームとの出会いが人生を変えてしまった「ゲームの達人」パク・クァンヒョン


この達人の職業はカメラマンなのだが、本人のスタジオにクレーンゲーム機を置き、毎日練習しているという。クレーンゲームにはまった理由は、偶然ゲームでキャッチしたぬいぐるみを撮影に来た子役にあげたところ、ものすごく喜んでいい写真が撮れたので、そこから病みつきになってしまったのだとか。

ゲームをするたびにキャッチできるわけではないはずだし、練習のためにゲームセンターにつぎ込んだお金を考えると「ぬいぐるみなんて買った方が安いのに......」とツッコみたくなるが、あくまでも気持ちの問題だ。クレーンゲーム機でぬいぐるみをキャッチできた喜びは、狩りで狙った獲物を手に入れたのと同じ感覚なのかもしれない。

韓国の警察の調べによると、クレーンゲーム専用ゲームセンターは2017年1月末時点で全国1446カ所あり、2年前より20倍も増えたという。これだけ人気が出ると、問題も出てくる。警察はクレーンゲーム専用ゲームセンターの集中取り締まりを行っている。

警察が問題にしているのは、(1)クレーンゲームの中に著作権を侵害したコピー商品のぬいぐるみを入れてないか、(2)ゲームセンターの運営時間を守っているか、(3)景品の価格規定を守っているか、の3点である。

プロフィール

趙 章恩

韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 5
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 10
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story