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【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ステーション補給機の価値 「人類のさらなる可能性切り開く鍵に」

2.1号機(HTV-X1)には何を積んでいるの?
HTV-Xでは、貨物は与圧カーゴと曝露カーゴに積まれる。
与圧カーゴ内は地上と同じ1気圧に保たれており、ISSに結合されている間、宇宙飛行士がそのまま出入りできるようになっている。今回搭載されているのは、宇宙食や水、窒素、酸素、水といった生活必需品や、二酸化炭素除去システム、船内消耗品、各種実験機器などだ。
一方、曝露カーゴ部分には、ISSの「きぼう」日本実験棟の船外で運用される中型曝露実験アダプタ「i-SEEP」やISS離脱後の技術実証ミッションに使われる装置が積まれている。
1号機がISS離脱後に行う技術実証ミッションは、①超小型衛星放出システム「H-SSOD」、②軌道上姿勢運動推定実験装置「Mt. FUJI」、③展開型軽量平面アンテナ 「DELIGHT」及び次世代宇宙用太陽電池「SDX」で、全体で約3カ月間のミッション期間があてられている。
「H-SSOD」は、 ISSよりも高い高度約500キロメートルの軌道で小型衛星を放出することで衛星の運用期間を延長するなどの利点を引き出す。「Mt. FUJI」は、地上からレーザーを照射することで衛星の姿勢を測るための世界初の技術を実験する。「DELIGHT」と「SDX」は、将来の宇宙太陽光発電システムを見据えて、構築技術などを軌道上で実証する。
3.油井宇宙飛行士によるキャプチャ・ドキュメント
今回のHTV-Xの船出は、H3ロケット7号機による打ち上げと軌道投入の成功、ISSから出されたロボットアームでのキャプチャ、結合、宇宙飛行士たちの入室と、見どころとなるイベントが豊富だった。中でも1番のハイライトシーンは、やはりISSに長期滞在中の油井宇宙飛行士によるキャプチャだろう。
先月26日にJAXA種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられたHTV-Xは、ロケットから分離後に太陽電池パネルを展開。姿勢を保ちつつ、エンジンを噴射しながら何度も位置調整を行い、ISSに徐々に近づいた。
30日未明にHTV-XがISSの下10メートルでISSと速度を合わせて並走状態になると、油井さんはロボットアームの先端をゆっくりと近づけ、午前0時58分にキャプチャに成功した。
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