コラム

Microsoftをなめるなよ! モバイルの次の覇権はAIでゲットだぜ !!

2016年08月18日(木)16時36分

 もちろんFacebookは単なるインフラに成り下がりたくないので、チャットボット・プラットフォームを開発し、提供し始めている。Microsoftがそこに入り込める余地はない。

 それなのでMicrosoftはビジネス向けプラットフォームのSalesforceと提携を強化、Linkedinを買収したわけだ。世界的にプライベートなコミュニケーションインフラ上のチャットボットはFacebookが手放さないだろうから、ビジネスのコミュニケーションインフラ上のチャットボットはしっかりと抑えておこうという考えだろう。もちろんFacebook以外のメッセンジャーで、Microsoftのチャットボットを受け入れてくれるところとは、これからも連携を強めていくことだろう。

【参考記事】女子高生AI「りんな」より多才な人工知能が中国で生まれたワケ

 チャットボットの後ろで動くのはAI。AIは、データが多ければ多いほど賢くなっていく。先手必勝。後発者にチャンスはない。

 さらにはチャットボットを通じて賢くなった対話型AIは、いずれ家電製品に搭載されてスマートホームの核になっていく。そして当然、ロボットにも搭載されていくことだろう。それがNadella氏の言う「コンピューティングを根本から革命的に変える」という予測の意味だ。

 新生Microsoftは壮大なビジョンを持って動き出した。しかもそのビジョンを達成できる十分な底力を持っている。

 Microsoftをいつまでも「過去の企業」と思って、なめんなよ!

*2歩先の未来を創る少人数制勉強会TheWave湯川塾主宰
*有料オンラインサロン

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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