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日々のSDGsと多様性 - ポートランド・コーディネーター手帳

山本彌生|アメリカ

ヘンテコ・カワイイだけではない! 『しぶとく成長するポートランド』 コロナ禍の活性化戦略

2020年以来、ポートランドの町にはネガティブなことが多くありました。今、それを乗り越えている真っ最中。といっても、住民の根っこの部分は同じです。面白く、楽しい、そして温かい心を持った少年少女のまま大人になった。そんな人が多く住んでいる気質は、今も変わりはありません。 Photo | Copyright © 2022 Travel Portland

夏休み本番、という人も多いお盆の時期。「この夏こそ思い出を作りたい!」と考える人も多いはず。それを表すように、コロナ禍3年目の今、世界中では『海外旅行』というキーワードが各国メディアを賑わしています。

とはいえ、世界中で新型コロナが終息していない状況に変わりはありません。特に日本では、海外渡航に対して二の足を踏む人が多いのではないでしょうか。

そんな背景には、日本のインバウンド事情も見え隠れします。国内のコロナウイルスの感染者数が、過去最多となる中。海外から日本へ旅行をする人は、添乗員付きの団体旅行のみという制限がついています。

視点を変えて、日本以外の主要国に目を向けてみても、このような規制はありません。すでにアメリカ、中南米、ヨーロッパ等の多くの国は、ウィズコロナという特別観光方針を打ち出して、水際対策を緩和。インバウンド集客で、過去3年間の経済損失を取り戻そうとすでに動き始めています。

その主要方針の一つが、新型コロナ検査と要請証明書に表れています。アメリカに入国する際には、この6月から提出不要に。このような背景からか、筆者が開催業務を担当していた世界陸上選手権大会。そして、出張で訪れたシリコンバレーやLAでは、連日多くの観光客やビジターでごった返していました。

この3年間のうっそうとした気分。それを旅行をすることで、心を開放させている人々の姿。それを見た時、少なからずショックを受けました。というのも、ポートランドの落ち着き払った町の姿との対比があまりにも大きかったからです。そして、にぎわう観光スポット各地では、日本語は一切聞こえてきませんでした。

当然、日本と欧米の置かれた状況は違う。そう感じている人も多いことでしょう。新型コロナに対する日本人の実質的、心理的な感染への不安。それに加えて物価高騰、円安の影響。といいつつも、どうしても海外に行きたい!という強い思いから、決断した旅行。でも最近では、それをキャンセルする人も増えている。そんな揺らぎをよく耳にします。

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Photo | Copyright © 2022 Travel Portland

とはいえ、日本にいる多くのポートランドファン、そしてポートランドに行きたいと長年願っている人。そのような方々から、特にこの半年「いつになったら行けるのか?」「もう、大丈夫なの?」。そんな質問が、筆者宛に頻繁に寄せられています。

その答えになればという思いから、今回はポートランド観光協会* への特別インタビューをお届けします。【* Travel Portland、以下 TPと略す。】

実は、以前にもTP関連の記事を書いたことがあります。その延長線という形で、『この夏のポートランド』はどうなっているのかの最新情報。

ポートランドの人気の秘密、日本との友好の背景などは、『ポートランド・スタイル』自分らしく、IKIGAIを手にいれる旅 をご覧ください。

この取材から見えてきた、町と地域の活性化や取り組み。地元住人・地元ビジネスとビジター* 双方のよき関係性。観光関連業種だけではなく、他の産業や経済分野への広がりなど。ポートランドの今の取り組みを現地レポートします。

【*観光客、視察、出張などをまとめた表現として、以下『ビジター』と表示。】

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Photo | Copyright © 2022 Travel Portland

| 他人を感動させるために、他の誰かになる必要はない。ありのままの自分でいられる町

旅行需要を通して、ポートランドの経済効果を上げること。同時に、町と共に成長を続けるというミッションを持っているTP。

「ポートランドは、他人を感動させるために行動する必要もなければ、仮面をかぶって生きる必要はない。ありのままの自分の姿が良いとみなされ。そして自分自身も、そのままの自分であることが一番快適だと思える。そんな場所なのです。

かといって、皆さんが住んでいる場所をポートランド色に染める、というのもちょっと違いますよね。それぞれの土地の性質と付加価値を見極めて、そこからスタートすることがとっても大切だと感じます。」そう、話しはじめてくれました。

日本人がポートランド市にはまった理由。それは、小さな都市でありながら、多様な文化や人々の『個々のポケット』 を見つけることができるから。ビジターでありながら、地元の人にフレンドリーに歓迎され、市民が生活をしている町の一部になることができる町。英語が拙くても、自分の居場所がそこにあるように感じられる。そんな体感ができるからではないでしょうか。

というものの、2019年には、77万9千人のビジターを誇る人気の町だったポートランド。そのうち、28万4千人は海外からでした。しかし現時点で、町とビジター数の本格的な回復には至っていません。

現時点でのポートランド中心部の様子は?そして、コロナ禍で生み出されたマーケティングとは、いったいどのようなものなのでしょうか。

 次ページ  集客を再び! 3つの戦略。町の経済と活性化の課題、日本へのヒントとは?  

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著者プロフィール
山本彌生

企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表。東京都出身。米国留学後、外資系証券会社等を経てNYと東京にNPOを設立。2002年に当社起業。メディア・ビジネス・行政・学術・通訳の5分野を循環させる「独自のビジネスモデル」を構築。ビジネスを超えた "持続可能な" 関係作りに重きを置いている。日系メディア上のポートランド撮影は当社制作が多く、また業務提携先は多岐にわたる。

Facebook:Yayoi O. Yamamoto

Instagram:PDX_Coordinator

協働著作『プレイス・ブランディング』(有斐閣)

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