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ヴィズマーラ恵子|イタリア

コロナウイルスに感染している人の咳?AIが判別するアプリをイタリア企業が開発中

iStock- fpphotobank

| イタリアでは、COVIDに感染した時の咳をIAが認識するアプリを開発中

引用[ミラノ 3月23日 ロイター]

イタリアのソフトウエア企業ネオスペリエンスは23日、クラウドプラットフォームに組み込んだ人工知能(AI)によって患者の話し方や咳を分析し、新型コロナウイルスの感染を検出するシステムを開発したと発表した。
同システムの精度は80%以上という。
同社のネオスピリエンス・ヘルス・クラウドと呼ばれる技術はすでに、胸部レントゲンの分析に利用されている。

コロナウイルスに感染した可能性のある最もよくある症状として、咳が喉の痛みなど上気道症状があげられている。
風邪やインフルエンザなど一般的な咳であるのか、特徴的な重症化することもある咳なのか、症状や診断ではなかなか区別をつけるのは難しいという。

イタリアで、昨年11月にLa7の番組で、「咳の音から、誰が無症候性で誰が感染していないかがわかる。ボストンでMITが行った研究から明らかになった」という話題が放送された。

動画中の2種類の咳を聞き返してもあまり違いは判らないが、前半の咳がコロナウイルスの陽性患者がしている咳であるという。
乾いた「から咳」をコホン、コホン、コホン、コホン・・・と息継ぐ間も無く連続的にしている感じ。
後半の咳は、ゴホン、ゴホン(一瞬間があって息を吸い込み)ゴ・ゴホンゴホン・・・とやや痰のからんだ湿った咳に聞こえる。

動画の0:45 :コロナウイルスに感染した陽性患者の咳
動画の0:52 : コロナウイルスに感染していない人の咳



ジョヴァンニフローリスの生物学者バルバラ・ガッラヴォッティをゲストに招いて: 公式La Repubblicaの @YouTubeチャンネルより

バルバラ・ガッラヴォッティ医師は、「咳をしている人は外出する前に、まずアプリを立ち上げ、アプリに向かって咳をし、AIにコロナウイルス症状による咳なのかどうかをジャッジしてもらいましょう、そこで外出するのか、またはコロナウイルスの症状があるので家にいて外出しないようにするのか、各自で判断する為のアイテムとして、このアプリは活用できるのではないか」というような提案を番組の中でしていた。

イタリアの他の呼吸器科医の専門医は、このアプリに対し
「音を識別するアプリ?今のところまだ信頼できないのではないかと思います」と、疑心暗鬼で、咳にはさまざまな種類があり、コロナウイルスに関連するだけでなく、咳という一つの症状だけでも多くのことを知ることができると説明をしている。


咳を専門とする呼吸器科医の専門医のアレッサンドロ・ザナージ博士は、ボローニャ大学で呼吸器系の生理学と疾患を専門としたシスマー咳治療センターの所長であり、AIST(イタリア咳研究協会)の会長。
ザナージ博士は、イタリア人の10人に1人は、数ヶ月または数年続いている慢性の咳に苦しんでいる。慢性的に咳をしていた人が突然特徴を変えて新しい症状に関連しない限り、これがCovidに起因する咳であるという信憑性やその可能性と正確性は低いのではないか、また、新型コロナウイルス感染症の最初の症状は、季節性インフルエンザや他の呼吸器感染症の症状と非常によく似ているので、区別することは非常に困難であると言っている。

ー 慢性の咳は、主に副鼻腔炎、喉頭炎、咽頭炎などの耳鼻咽喉科の病気、または喘息などの病気によって引き起こされるもの。
ー 胃食道逆流症の慢性咳嗽は、胸焼け、吐き気、嘔吐などの症状とは関係がないため、微妙ではあるが特に咳が逆流症の唯一の指標となる。
ー 季節性インフルエンザについては、

①38°を超える突然の発熱、
②筋肉や関節の痛みなどの少なくとも1つの全身症状があり
③少なくとも呼吸器の症状「咳、鼻詰まり、喉」の痛みが1つでもある場合、
これら①・②・③の3つの典型的な症状が同時にある場合のもの。

ー コロナウイルスに感染している可能性がある咳は、急性の咳の形態から生じるもの。Covid感染は(2〜14日間に)平均インキュベーション時間約5日後、乾いた咳が始まる。
骨関節の痛みと味と匂いの変化を伴う19件の研究を分析したメタ分析では、合計2,874人の患者は、発熱後の2番目の症状として咳が出だすと症状発症の「明確な順序」が特定された。その頻度は患者の57.6%にのぼる。




MattinaRai1の公式Facebookより


| コロナウイルスによるものではないことをどのように理解するのか? 

ザナージ博士によるQA

Q:咳とはつまり何ですか?
A:咳は気道の防御機構であるだけでなく、多くの病気や感染の媒体の指標でもあります。

Q:Covid咳の特徴は正確には何か?
A:コロナウイルス陽性(症候性)患者の60〜85%が咳をし、それは主に乾いた咳で、刺激性があり、持続性する咳です。

季節性インフルエンザの場合は、一般的に発熱する前に咳が出だす(Frontiers in Publich Healthに掲載された研究)のに対し、コロナウイルス患者は 、

最初に発熱が起こり
   ↓
続いて刺激性の咳が起こり
   ↓
37.5を超える熱が下がらない
   ↓
息切れを伴い
   ↓
臭いや風味の喪失が非常に頻繁に起こる
これらの特徴は完全に特定されているわけではないが、咳の症状はコロナウイルスの一種の警報ベルであると思ってください。

Q : 咳をしている子どもをよく見るが、COVID?
A:成人では咳、発熱、呼吸困難が最も一般的な症状であるのに対し、子供やその他の呼吸器疾患では咳が完全に見られない場合があるという。
最も一般的な症状は、発熱と胃腸障害と下痢であると、最近「小児科のフロンティア」に発表された研究でも特定されています。

Q : 神経質な咳とは何ですか?
A : 神経性または心因性の咳は成人ではまれであり診断から除外します。子供ではより頻繁であり、不快感を表し、注意を引くことを目的としています。それは単調なトーンである特質を持ち、常に一定であり、被験者が眠ったり気が散ったりすると停止するので、それが神経質な咳だと認識できます。
持続性の咳神経を定義することは、患者を「アンロード」する方法である場合があります。いずれにせよ、これらの定義された神経性咳の多くは、代わりに受容性過敏症の形態に関連していることが見られています。
実際には、温度、煙、匂い、香水の変化などの些細な刺激に異常に非常に敏感に反応する雑学受容体を持つ被験者が子供です。


Q : どのように対処していったら良いのか?
A:咳療法:それを引き起こした病状の療法、または誘発因子の除去(例えば、喫煙の廃止、胃逆流症における制酸剤の使用、または喘息における気管支拡張薬など)と一致します。

症候性鎮咳療法:良性の病状の過程で、合併症のリスクがある被験者、または特定可能または治療不可能な原因(呼吸器ウイルス症、肺線維症、新生物など)の投薬がない場合の不快感を軽減するために使用されます。
鎮静剤:それらは乾いた刺激性の咳の形で示され、それらは筋性反射を阻害することによって作用します。それらには、中枢作用(オピオイドおよび非オピオイド)および末梢作用薬が含まれます。それらは生産的な咳のために使用されるべきではありません。
喀痰溶解薬Protussive(またはMucoactive):気道からの分泌物の除去を促進します。それらには、粘液溶解薬、粘膜調節薬、去痰薬、および粘液動態薬が含まれます。
OTC薬(市販薬)を乱用しないでください。また、その使用を医師に報告してください。

イタリアでは、ドラッグストアーなどには風邪薬は売っていない。風邪の特効薬ができたら、ノーベル賞ものの大発見になるだろう。風邪のときに処方される薬は、症状をおさえる薬であって根本的に治す薬ではない。それは日本でもイタリアでも全世界で共通している。

よって、自己判断はよくないが、ホームドクターにかかるまでもなく、ましてやこんなコロナ禍のご時世、少し具合悪いくらいで病院に行くとかえってコロナウイルスに感染してしまうのではないかと、軽く病院に行くことも躊躇してしまう。薬局に行き、具合の悪い症状を薬剤師に説明してその症状を緩和してくれるお薬を紹介してもらい、それを買うという仕組みがイタリアのドラッグストアーである。

咳が出ていると、薬局の薬剤師は咳止めシロップをすすめてくる。

イタリアでは、咳止めシロップには2種類あって、必ず訊かれる質問がある。「乾いた咳?(Secca?セッカ)」か「痰が絡むような湿った重たい咳?(umida?ウーミダ)」という二択で、痰が出ている場合は色を訊かれる場合もあるが、大抵乾いた咳のセッカ用シロップが9割。

1日3回、10mlのシロップを服用するようにと渡される。通常8ユーロ(1000円前後)で購入できる。

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Sekiという日本語名の咳止めシロップもイタリアには売っている。乾いた咳(セッカ)用

最後に、

Q : 音でCOVIDを認識するアプリは信頼できますか? 咳を記録して分析することによってウイルスの存在を診断するように設計されたアプリケーションについて聞いたことがあります。どう思いますか?

A:逆に質問しますが、あなたはそれができると思いますか?そして、それは信頼できるテストになるでしょうか?Covidからの咳の録音があり、アルゴリズムを使って音を識別しようとしています。個人的には懐疑的です。過去に、ダルマソ教授との研究に参加しました。この研究では、さまざまな種類の咳を録音して分析し、区別しようとしました。新しい技術の助けを借りて、咳の詳細をCovidから分離することは非常に興味深い課題であり、現時点絵は、私は窓際に立って観察していると表現することしかできない、いわばちょっとした懐疑主義者です。

咳を専門にしているイタリア咳研究協会の会長が、そんなアプリは信用ならない、アプリでコロナウイルスに陽性かどうかを調べようとせず、必ず医師に相談をしてPCR検査を受けることを強く推奨している。

今のところ、イタリアのApp StoreにもAndroidにもそのアプリはリリースされていない。

 

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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