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日本人コーヒー生産者が語るコロンビア

松尾彩香|コロンビア

コロンビアで再びコーヒー市場価格歴代最高値更新!今コーヒーが高く売れる理由は?

iStock - goglik83

UCC上島珈琲が9月からのレギュラーコーヒー製品の一部値上げを発表。さらに大手コンビニエンスストアのセブンイレブンも7月から販売開始以降初めてのコーヒーの値上げを開始しました。

パンデミックによる港の混乱やコーヒー生産大国であるブラジルの不作などが原因で需要と供給のバランスが崩れ、市場価格の高騰が続いているコーヒー。今年2月にコロンビアのコーヒー歴代最高価格を記録し現地のニュースを賑わせていましたが、先日11日その価格をさらに上回る価格を叩き出し再び話題になってます。

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©️iStock - Kayoko Hayashi 

 

また新記録!止まらぬ市場価格上昇

今年2月に125kgあたりのコーヒーの価格が2.307.000ペソ(約69.200円)を記録したコロンビア。先日11日にはそれを更に上回る2.365.000ペソ(約71.000円)にまで価格が跳ね上がり、コロンビア歴代最高価格を再び更新しました。ほんの数年前は700.000ペソ(約20.740円)〜800.000ペソ(約23.700円)程度が当たり前だった市場価格の急激な伸びに、コーヒー生産地の経済活動の活性化も期待されています。

 

新記録更新の理由は?

コーヒーの価格が高騰した最も大きな要因の一つはドル高。先月コロンビアでは大統領選挙が行われましたが、その影響でドルがどんどん高くなっているのです。現地メディアEl Tiempoの分析家であるリカルド・アビラ氏は、当選が決まった左派のグスタボ・ペトロが新規石油プロジェクトの禁止など、石油・石炭からの脱却を公言したことがドル流出に大きく関係していると指摘しました。石油はコロンビアにおいて主な輸出品目の一つですが、アビラ氏の分析によるとコロンビアは2028年からは石油を輸入しなければいけない立場になることが予想されています。

BBCによるとコロンビアはラテンアメリカの中でアルゼンチン、チリに続いて3番目に通貨暴落に苦しんでいる国とされていますが、コーヒーの市場価格はニューヨーク取引所で決まるため、生産量の9割のコーヒーを輸出しているコロンビアのコーヒー産業にとってこのドル高はプラスの効果をもたすことになるでしょう。

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©️iStock - Andrzej Rostek

 

一方、生産量は減少

コーヒーの市場価格はどんどん上昇していますが、国内のコーヒー生産量は減少の一途を辿っています。先月6月の国内コーヒー生産量は前年比10%減の95,1万袋。今年全体の収穫量はすでに去年に比べて大幅に減少しているのです。

原因は2020年6月から続くラニーニャ現象による長雨。コーヒーの木には一定量の雨量と日射量が必要となりますが、この2年間長雨がもたらす日射量の大幅の減少が原因で収穫に大きな影響を及ぼしています。通常だとコロンビアでは年間1400万袋(60kg/袋)近くのコーヒーの収穫が見込めますが、コロンビアコーヒー生産者連合会のロベルト・ベレス代表によると今年の収穫量は1200万袋程度にとどまるだろうと予測されています。

またラニーニャ現象による長雨の影響は生産量だけにとどまりません。毎日降り続く大量の雨に地盤が緩み、多くのコーヒー生産地で道がぬかるんだり土砂崩れが起こるなど、生産者がコーヒーを運び出すことができないという問題も抱えているのです。この影響を多く受けている地域の生産者たちはせっかくコーヒーが高く売れるのに、生産量も少なくコーヒーを売りに行けないと嘆いており、「コーヒー市場価格歴代最高値」の恩恵を生産現場ではあまり受けることができていないようです。

 

Profile

著者プロフィール
松尾彩香

コーヒー農家を営む元OL。コーヒーを栽培する一方で、コーヒー農家の貧困や後継者不足問題、コロンビアでの生活についてSNSを通じて発信。朝の一杯のコーヒーに潜む裏話から、日本ではあまり報じられないコロンビアの情勢まで幅広くお伝えします。

ブログ: http://campesinita.com

Twitter: @maon_maon_maon

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