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ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情

ひきりん|ベルギー

コロナ禍でゲイタウンもひっそりと

一方で僕ら夫夫(夫婦と同様に"ふうふ"と読む)の友達にも新型コロナウイルスの症状が出ていた。どちらもゲイカップルで、ヨーロッパの人気ゲイリゾートの街、スペインのシッチェス(バルセロナから約40km)へ遊びに行っていた。帰国してしばらく経ってからそれぞれのカップルの片方が新型コロナウイルスの症状が出てしまって寝込んでいた。電話での医師の問診により新型コロナウイルスと診断されたが、幸いどちらも軽症で済んでこれまで後遺症や再発も無いようで一安心だ。そのうち1組はシッチェスにアパートメントを所有しているので年数回は遊びに行くのだが、3月に訪れた時はお目当てのビーチは封鎖、店も閉店となってしまってほぼ部屋に監禁状態、更には帰国の予定フライトがキャンセルになってしまって、滞在が数日延びたというおまけ付きだった。

4月に入るとイタリアやスペインのはるか後ろから追っていたベルギーは人口あたりの感染率で追いつき、4月中旬には人口あたりの死亡者数で世界ワーストを記録した。それは検査で陽性と確認されていない老人ホームでの死者数を感染死亡としてカウントしたためだった(ホームでの死者のうち陽性と判明したのはわずか8%で、9割は疑いのまま感染死亡扱いされた)。しかもこのホームでの疑い例のほうが病院での死者数を一時上回り、今現在までの累計死者数でもほぼ全体の半数を占める結果となっている。そのためかロックダウンの段階解除も周辺国に比べ、遅いペースで緩和する羽目になってしまった。特にレストランやカフェ、バーなどの飲食店はテイクアウト対応店を除き、3月中旬から6月中旬までの丸3ヶ月間営業停止状態となり、各種助成金や補償はあったにせよ甚大な打撃を受けた。

6月中旬の営業再開後もリモートワークの推奨継続で昼間のレストランなどは苦境が続いているが、ビールの国ベルギーだからかブリュッセルの夜の盛り場はそれまでの鬱憤を晴らすかのように賑わいを取り戻し、あちこちでかなりの密状態が発生していた。

ゲイタウンへの人出が劇的に減った

が、本来ならそれらの盛り場に負けず劣らず盛り上がるゲイタウンは意外にもひっそりとしていた。夜遊びに旺盛なゲイ達は意外にもコロナウイルスに対しては正しく恐れながら適切に遊んでいるようだ。僕らの住むアパルトマンからゲイタウンまでは徒歩15分ほどとかなり近いのだが、僕ら自身はほとんどゲイバーではお酒を飲まない。ただ、好物のクラフトビールを提供するバーがその周辺に点在するので、このゲイストリートは定期的に通り過ぎる。この夏は日本のように暑い日々も多く、外へ飲みに繰り出すには絶好の好天に恵まれた。それなのに、7,8月になっても週末のゲイストリートの人出は例年に比べ劇的に少なかった。国外への旅行はリスクが高いということで、国内に留まるゲイ達が多かったにも関わらずである。

Profile

著者プロフィール
ひきりん

ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。

ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記 

Twitter:@hiquirin

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