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ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情

ひきりん|ベルギー

コロナ禍でゲイタウンもひっそりと

ベルギーも先月から第2波が到来し、7月末にはブリュッセル市内の繁華街でマスク着用が義務化、8月中旬には市内全域での義務化となり、警察のパトロールも強化されて、違反すると容赦なく高額な罰金が課せられる。ドイツ・ベルリンを筆頭にコロナの各種規制、特にマスク着用に抗議するデモが広がる中、ベルギーでの運動は小規模なものにとどまっている。

不可解な国ベルギーで、ゲイタウンと警察署とのシュールな位置関係

さて、このゲイストリート入口の目と鼻の先には、交差する横道一本挟んでブリュッセル市警察の本部がある(同じマルシェ・オ・シャルボン通り)。ベルギーでは2018年末に当時のミシェル首相が辞任して、昨年5月の総選挙を経ても今日現在まで連立協議が難航し新内閣が組閣できない状況が続き、現在もコロナ対策を目的としたウィルメス首相の暫定内閣のまま。その正式な組閣が出来ていない無政府状態は8月29日現在、621日(約1年8ヶ月)と記録を更新中だ。ちなみに過去には2010年〜2011年にかけて541日の無政府状態の末、ゲイのエリオ・ディルポが首相に就任し組閣に至ったこともある。こうした政治状況などを見るにつけ、日本人に限らず、他のヨーロッパ人にとっても至極不可解な状況が発生するのがベルギー社会。シュールレアリスムの巨匠ルネ・マグリットを生んだこの欧州の小国の住人は自虐的に「だってベルギーはシュールな国だから!」などと笑い飛ばしながらあっけらかんとしているのだが、警察署とゲイタウンという歴史的にもあまり相性の良くない両者が隣接していること一つ取ってみても、ベルギーのシュールな一面を如実に物語っているのかもしれない。


この連載では、ベルギーおよびEUの首都ブリュッセルよりヨーロッパの LGBTQI* 事情を定期的にお伝えしていきたいと思っている。



*LGBTQI : LGBTという言葉は日本でもここ数年でだいぶ浸透したと思われるが、耳慣れない他の頭文字と併せもう一度おさらいを。

L(Lesbian): レズビアン(女性同性愛者)
G(Gay): ゲイ(男性同性愛者)
B(Bisexual): バイセクシュアル(男女両方をどちらにも性愛感情を抱く両性愛者)
T(Transgender): トランスジェンダー(生まれた時の性別と、自分自身が心で感じている性別や生きていきたい性別が異なっている人々)
Q(Questioning, Queer) : クエスチョニング(自身の性自認・ジェンダーや性的指向・恋愛対象がはっきりしない人々)
または、クィア(性的マイノリティの総称、LGBTとほぼ同義)を指し、これら2つの違う意味を含んでいる。
I(Intersex): インターセックス(身体的な性が一般的に定められた男性と女性の中間、もしくはどちらとも一致しない状態の人々

他に A(Asexual): アセクシャル、エイセクシャル(他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱くことのない無性愛者)や別の細分化したセクシャリティを加えて、LGBTQIA+ などと表現することもある。

 

Profile

著者プロフィール
ひきりん

ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。

ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記 

Twitter:@hiquirin

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