コラム

事実上、大統領・上院多数・下院多数が民主党になる「トリプルブルー政権」に突入する米国政治

2020年11月07日(土)11時45分

第三に、共和党上院トップのミッチー・マッコーネル院内総務の存在である。マッコーネル上院議員は、寝業師としての定評がある議会調整を専門としてきた人物だ。上述のように民主・共和の両党の議席が拮抗する状態では、共和党側の政権に対する抵抗は容易に切り崩されることになるだろう。そのため、マッコーネル議員は何も得られないよりは支持者向けのプロレスを演じながら予め落としどころを決める姿勢を取ることが予測される。バイデン政権側も党内の左派勢力からの突き上げをかわすため、その防壁としてのマッコーネル上院院内総務の存在と協力を必要としている。そのため、共和党としては対立しながらも妥協できるものは妥協していくことになるだろう。

共和党上院議員の顔ぶれを見れば、事実上のトリプルブルー政権となる

したがって、バイデン政権が政策内容・政策優先順位などは今後発表されてくる政権閣僚メンバーによって決まってくるだろうが、その政権運営上の議会対策に深刻な問題が生じるリスクを過剰に懸念することは間違っている。

共和党上院過半数は現状で確定的ではない上に、今回の選挙で生き残った共和党上院議員の顔ぶれを見れば、事実上のトリプルブルー政権となる見通し、と判断して良い。

トランプ政権からバイデン政権へ、その政権の性格は大幅に変わると理解するべきだろう。

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プロフィール

渡瀬 裕哉

国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員
1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。主な著作は『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ』(産学社)、『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』(祥伝社)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)、『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 ”トランプorバイデン”アメリカの選択』(すばる舎)

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