コラム

アサド後の「真空地帯」──ISとアルカイダが舞い戻るシリアの現実

2025年08月07日(木)17時01分

国際社会は、テロ組織の勢力拡大を阻止し、シリアの安定化に向けた協力を強化する必要がある。

最後になるが、今日の状況が海外に進出する日本企業、海外邦人の安全をすぐに脅かすような事態になるとは考えにくい。しかし、アルカイダやイスラム国の本体が弱体化しているとは言え、特にアフリカではジハード組織による越境テロが深刻化している。


今日、国際社会は大国間競争の時代へと回帰しており、その政治的空白を突く形でテロ組織が組織力や資金力を再生することが懸念される。イスラム過激派関連のテロによって国民が犠牲になった経験もある日本としては、今後のアルカイダやイスラム国の動向を注視していく必要があろう。

プロフィール

和田 大樹

株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO、清和大学講師(非常勤)。専門分野は国際安全保障論、国際テロリズム論など。大学研究者として国際安全保障的な視点からの研究・教育に従事する傍ら、実務家として海外進出企業向けに政治リスクのコンサルティング業務に従事。

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