日本にはもっとストが必要だ...「奇麗で安全で便利な国」なだけではダメ!外国では信じられない「声を上げない文化」
強権的な政治体制のイメージの強いイランではあるが、市井の人々はストを、中央政府や市政への抗議の手段として行使している。何かが抜本的に変わることはそうないかもしれないが、少なくとも市民の不満の表明にはなる。
翻って、日本では全くと言っていいほど、ストが行われない。電車もバスも飛行機も時間どおりに運行されるし、ごみ収集はスケジュールどおり、外国からの滞在者にとっては「奇麗で安全で便利な日本」だ。
だが働いている人は、ストが必要ないほど満足な条件下で働いているとは言えない。諸外国と比べればまだ低いとはいえ、物価も上がってきているのに、賃金の上昇は追い付かない。それなのに企業の内部留保は過去最高額というニュースを聞いたこともある。
日本はやっとデフレから抜け出しつつあるようだが、もう少しみんなが自分の意見を声高に言うべきだ。声を上げられる場がつくられるといいと思う。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」 Twitter:@IshinoShahran

アマゾンに飛びます
2025年7月8日号(7月1日発売)は「トランプvsイラン」特集。「平和主義者」の大統領がなぜ? イラン核施設への攻撃で中東と世界はこう変わる
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
突出した知的能力や創造性を持つ「ギフテッド」を埋没させるな 2025.06.28
在日外国人は米に困っていないし、「令和のコメ騒動」に無関心 2025.06.16
大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ 2025.06.10
コメ価格高騰で放映される連続ドラマ『進次郎の備蓄米』にうんざり 2025.06.07
誕生日は「文化の鏡」である...「ミニフェスのような誕生会」から見えた「個人」と「社会」 2025.06.06
日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先 2025.05.16
日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブームの関係 2025.05.07