「日本人に見えない」多様な五輪選手の顔ぶれに、日本の明るい未来が見えた
それでも自分が外国人であることを毎日思い知らされ、日本人にはなれないことを自覚させられた。それは単に国籍の問題というわけではない。外見や話し方、振る舞い、声の大きさ、考え方や価値観の相違といったことを理由に、周囲から絶え間なく異物として扱われる感覚があった。
しかし、この20年間で日本は大きく変わったと思う。当時は多様性やダイバーシティという言葉も一般的ではなかった。一部の先進的な人を除いては、外国人も社会の一員だなどと言う人もいなかった。それに比べて、今大会の日本選手たちの多様さはどうだろう! 外国にルーツを持つ日本人選手たちが、チームに属し、スポンサーを獲得し、多くの競技で活躍する姿を見て、私はとてもうれしく、誇らしく思った。
現在の子どもたちは、もっと多様化している。彼らが成長した20年後、選手の顔触れはさらに多様性を増しているはずだ。それは日本に多様な価値観・才能・手法をもたらし、バブル崩壊から低空飛行を続ける日本社会に新しい活力を与えるだろう。
さまざまな顔をした日本人選手の活躍に、何か新しい息吹を感じ取った皆さん、あなたの予感が当たりますように。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。シャハランコンサルティング代表。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
Twitter:@IshinoShahran
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