国連で露わになったアメリカの孤立...和平仲介のはずが戦火拡大で世界が見切り
イスラエルのドーハ攻撃は「アブラハム合意」に湾岸諸国がさらに参加してほしいというトランプ氏の期待を打ち砕いた。「アブラハム合意」はトランプ氏が第1次政権時の2020年に主導し、イスラエルとUAEやバーレーンと国交正常化を実現した。
イスラエルは現在、国際社会のパレスチナ国家承認の動きに対する怒りにあおられたかのように、ヨルダン川西岸占領地の一部併合を検討している。
イスラエル史上最も右派的なネタニヤフ政権は「パレスチナ国家などは存在しない」と宣言し、23年10月7日のハマスのイスラエル攻撃に対する戦闘を継続している。イスラエル側の死者は約1200人で、地元保健当局によると、ガザはこれまでに6万5000人以上が死亡したという。
UAEはもしイスラエルがヨルダン川西岸の併合を進めれば、アブラハム合意から脱退すると警告している。
中東の多くの専門家によると、こうした動きはサウジアラビアが参加する道も閉ざすだろうという。ネタニヤフ氏が前進するためにトランプ氏の承認が不可欠と思われるが、トランプ氏はこれまで態度を明確にしていない。


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