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ミャンマー

「民主化」を装い、民間人は「犠牲」に...ミャンマー軍政の思惑とは?

Myanmar Military Administration Sets Date For Long-awaited Election

2025年8月25日(月)17時17分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌東南アジア担当エディター)

過去半年で国軍の支配下地域喪失ペースは鈍化。ただし、シャン州北部では中国の後押しで巻き返しているが、多くの地域で依然として守勢に回っている。

全国的な非常事態宣言を解除した同じ日、国防治安評議会は14の州・地方のうち9州・地方にある63の町で90日間の非常事態宣言を発令した。多くは反政府側の勢力圏だ。


そのため軍は総選挙の前に、支配地域での抵抗運動の排除や、反政府勢力地域の「解放」を目指す動きを強化する公算が大きい。

例えばミャンマー情報誌イラワジの報道によると、反政府勢力が支配するカヤー州の町では8月17日、政権側の空爆で「子供を含む少なくとも25人の民間人」が死亡。「史上最も人的犠牲の大きい空爆」と地元の市民団体は呼んでいる。

以上のことから、軍政の選挙計画には2つの狙いがあるように思われる。1つは国際社会、特に周辺諸国との関係改善。もう1つは現在でも一枚岩とは到底言えない反政府運動のさらなる分断だ。

From thediplomat.com

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