トランプ政権で勢いを増す多産奨励主義(プロネイタリズム)は極右思想。白人至上主義とつながりも
Report Warns of Anti-Family Pronatalist Movement's Growing Influence on Trump White House

子どもを連れたバンス副大統領夫妻(ワシントン、6月14日) Doug Mills/Pool via REUTERS
<一見「家族を支える」運動だが、実際には女性差別と白人至上主義に根差したものだと市民団体が警鐘>
*This story originally appeared in Common Dreams on May 25, 2025. It is shared here with permission under a Creative Commons (CC BY-NC-ND 3.0) license.
トランプ政権がアメリカ人により多くの子どもを産ませようとしてきたことは、J・D・ヴァンス副大統領が「子どももいない猫好きの女たち」と独身女性を侮辱したことや、出生率の低下に危機感を抱く「プロネイタリスト」活動家らと政府高官が面会してきた事実からも明らかだ。アメリカの出生率は2007年以降、低下を続けている。
だが、8月14日に全米女性法律センター(NWLC)が発表した報告書によると、ホワイトハウスが検討しているとされる出生促進策が、極右からは「家族重視」と見なされている一方で、実際には優生思想や女性蔑視を伴う運動によって推進されていることを詳細に示している。
提案されている施策には、6人以上の子どもを産んだ女性に「国家母親勲章」を授与する案、新生児の親に5,000ドルの「ベビーボーナス」を支給する案、高出生率地域をインフラ事業で優遇する案などが含まれる。
「ピカピカの母親メダルや赤ちゃん手当の約束の裏にあるのは、白人至上主義を高め、女性を職場から排除しようとする運動だ」と、NWLCのプログラム責任者エミリー・マーティンは述べた。
報告書では、シリコンバレーのテックエリートと、妊娠中絶や女性の就労権に反対する伝統的保守派が手を結び、「伝統的な家族構造の保存」と「女性に多くの子どもを産ませる」ことを共通の目標に掲げる様子が描かれている。