最新記事
イスラム教

世界一人口が増えているのはイスラム教徒――若さと出生率の高さで世界を席巻する勢い

Islam Is World's Fastest-Growing Religion

2025年6月12日(木)21時05分
ジェームズ・ビッカートン
メッカの大巡礼

サウジアラビアの聖地メッカの大モスクで、毎年恒例のハッジ巡礼の礼拝を行うムスリムたち

<人口比で減り続けるキリスト教徒に対し、増えているのはイスラム教徒。この巨大な人口変動は国際関係や各国社会に大きな影響を及ぼす>

2010年から2020年にかけて、イスラム教は世界の主要宗教の中で最も急速に成長した。アメリカのシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターが6月9日に発表した推計だ。

この10年間で、世界のムスリム人口は3億4700万人増加し、キリスト教徒の増加数(1億2200万人)を大きく上回った。世界人口に占めるキリスト教徒の割合は実際には減少しており、人口全体の増加ペースに追いつけなかった。2番目に増加したのは、宗教を持たない人々だった。

◾️激増し、キリスト教と並ぶ勢い


*Chinese folk R.は中国の民間信仰のことと思われる

なぜ重要なのか

イスラム教の急成長は、世界の宗教構成における大きな人口動態の変化を反映している。その動向は移民、国際関係、国内外の社会構造に影響を及ぼすため、理解することが極めて重要だ。専門家は、ムスリムの高い出生率と若い平均年齢がこの増加を後押しし、キリスト教徒とイスラム教徒の人口差を縮めたと指摘している。

【動画】イスラム化を恐れるヨーロッパの例<イギリス>

知っておくべきこと

ピュー・リサーチ・センターによると、同期間に世界のムスリム人口は約20億人に達し、世界人口に占める割合は23.9%から25.6%に増加した。

キリスト教徒の割合は30.6%から28.8%に低下した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

印機墜落、死者260人超 政府が同型機の安全点検検

ワールド

焦点:「減税より賃上げ」巡り曲折、好経済へ効果未知

ワールド

政府、骨太方針を閣議決定

ビジネス

ユーロ圏の鉱工業生産と輸出、4月は減少 関税の混乱
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    【動画あり】242人を乗せたエア・インディア機が離陸…
  • 7
    【クイズ】今日は満月...6月の満月が「ストロベリー…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密…
  • 10
    【クイズ】2010~20年にかけて、世界で1番「信者が増…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 6
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 7
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 8
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中