最新記事
アフリカ

なぜ「イスラム国」は勢力拡大しているのか?...アフリカの「空白地帯」に生まれる「カリフ国構想」

The Gods of Chaos

2025年4月30日(水)14時05分
グレン・カール(本誌コラムニスト、元CIA工作員)
ソマリアのプントランドでISの取り締まりに投入された治安部隊

ソマリアのプントランドでISの取り締まりに投入された治安部隊 FEISAL OMARーREUTERS

<国家不在の空白を突いて、過激派組織ISが新たな「州」を創設する動きが相次いでいる...>

中東とアフリカはここ数十年、社会の混乱や、イスラム教徒とユダヤ人の、またはイスラム教徒同士の戦争や、異なる宗教や民族の間の対立、そして政府の機能不全や圧政を経験してきた。

この10年で特筆すべきは、過激派組織「イスラム国」(IS)の勢力拡大だ。アメリカのイラク侵攻後の混乱の中でシリアに広がり、今ではアフリカのソマリアやコンゴ民主共和国、ナイジェリアにまで到達している。


だがこれは、ジハーディズム(聖戦思想)が人々の心をつかんでいるという話ではない。中央政府の支配の及ばない地域の存在や、国家が機能不全に陥っている問題の裏返しなのだ。

ISは、2003年のイラク戦争とフセイン政権の崩壊、それに続くシリアのアサド政権の弱体化といった背景の中で姿を現した。そしてISは、自分たちこそが「背教者が率いる政権や、イスラム教を信仰しない者たちを倒せ」という神の答えであると主張した。

ISの目標は世界規模の「カリフ国」、つまり預言者ムハンマドの後継者でありイスラム社会の最高指導者であるカリフが統治を行う国を築くことだ。

地域住民がISに従わないならば、全ての女性を奴隷にし、抵抗する男性を全て殺して世界を浄化しなければならないと考える。各国の状況を読み解くと──。

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがドローン・ミサイル攻撃、各地で暖房など停止

ビジネス

マクロスコープ:企業物価、国際商品に投機資金 「川

ビジネス

日銀13日当預残予想の財政要因は8兆200億円増、

ワールド

中国春節の海外旅行、ロシア・豪州・タイが人気 日本
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中