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アフリカ

なぜ「イスラム国」は勢力拡大しているのか?...アフリカの「空白地帯」に生まれる「カリフ国構想」

The Gods of Chaos

2025年4月30日(水)14時05分
グレン・カール(本誌コラムニスト、元CIA工作員)

シリア、イラク

ISは14〜19年頃、シリアの3分の1とイラクの40%を支配地域としていた。だがアメリカやロシアなどの介入により、17年までに支配地域の95%が奪い返され、19年には組織はほぼ壊滅状態に追い込まれた。

シリアでは24年末に元ジハーディスト(聖戦士)のアフマド・アッシャラア(別名モハマド・ジャウラニ)が権力を掌握し、アサドを国から追い出した。だが今も情勢は混沌としている。

まとまった支配地域がないとはいえ、シリアとイラクには今も約9000人のIS構成員が残っている。彼らは攻撃を行うなど、地域の不安定要因であり続けている。


サブサハラ

中東における「カリフ国」の崩壊は、アフリカ各国にジハーディズムやIS系組織が広がっていくきっかけとなった。

シリアやイラクにいられなくなったISの残党は、アフリカ各地の政府の支配が及ばない地域に逃げ込んだのだ。中東で足場を失った今も、ISが組織としての形を維持していることも忘れてはならない。

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