最新記事
世界経済

ポスト・ドルの時代へ...アジアと欧州が築く「もう一つの世界秩序」

SAVING WORLD ECONOMY SANS US

2025年7月2日(水)16時03分
魏尚進(ウエイ・シャンチン、コロンビア大学経営大学院教授、元アジア開発銀行チーフエコノミスト)

米議会予算局によれば、トランプ政権の推す予算案が成立すれば現状で36兆ドルを超えているアメリカの公的債務は2.4兆ドルほど増える。今後の債務上限引き上げも勘案すれば、トランプが大統領を退任する頃までに債務総額はGDPの134%にまで膨らむだろう。

作家アーネスト・ヘミングウェイはかつて、破産は「徐々に、その後は突然に」やって来ると書いた。米国債のリスクプレミアム(危険資産の期待収益率と安全資産の収益率の差)が上昇している今はまだ「徐々に」の段階だが、「突然」は想定より早く訪れるかもしれない。


こうしたリスクにどう備えるか。アジアと欧州がそれぞれにヘッジ戦略を講じるより、協力し合うほうがいい。

EUとアジアの2大経済圏、すなわち東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の連携を強化すれば、世界のほぼ全体をカバーする自由貿易圏ができ、アメリカの動向に左右されなくなる。

そのとき重要なのは、WTOが築いてきた自由貿易の基本ルールを維持することだ。それが効果的なことは過去70年で証明されてきた。しかし同時に、補助金や国有企業の規定といったWTOの欠陥にも目を向け、改善を進める必要がある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

メキシコ大統領、キューバへの石油供給停止を否定せず

ビジネス

三井物、オマーンの陸上油・ガス田権益の一部売却 2

ワールド

ドイツ、同盟崩壊で新たなパートナー探す必要=経済相

ワールド

トランプ氏「民主党勝てば国がつぶれる」、激戦アイオ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 3
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    「恐ろしい...」キリバスの孤島で「体が制御不能」に…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    生活保護と医療保険、外国人「乱用」の真実
  • 10
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 9
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 10
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中