新党「アメリカ党」結成を発表したマスクは、トランプ政権130日間で何を得て何を失ったのか
失ったもの②:Xへの信頼、スペースXの未来...
他にも、マスクの所有するSNSプラットフォーム、Xもダメージを受けた。
マスクが内政干渉のような投稿や事実無根の投稿をXで繰り返していたため、欧州では大手メディアや大学がXの使用を控えるようになった。オンラインニュースメディアのブリュッセル・シグナルなどによると、パリ市に至っては、Xを「違法コンテンツ・偽情報の拡散を助長している」と非難し、Xを通じての市民への情報提供を停止した。
さらに、XはEUにも目を付けられることになる。
今年1月、欧州委員会はEUの定めるデジタルサービス法(DSA)に違反した疑いで進められていたXへの調査拡大を発表した。2023年12月からXがDSAに違反した疑いがあったため調査が行われていたが、マスクによる極右勢力の支持に対する懸念から、拡大されることになったのだ。
マスクの宇宙企業スペースXも先行き不透明だ。マスクは政権からの離脱に前後して、トランプの減税政策を猛批判、SNSでトランプと罵倒合戦を繰り広げた。
その中で、マスクはXでスペースXの宇宙船「ドラゴン」を米政府のプロジェクトから撤退させることを表明した(この投稿は現在削除されている)。最終的にマスクが言い過ぎを認めた上で、スペースXが今後も政府に力を貸すことをほのめかすなどして対応を軟化させたが、今後も政府と良好な関係を維持できるかは分からない。