中国の嫌がらせがエスカレート、チェコで台湾次期副総統を襲撃しようとしたことが発覚―― チェコ情報トップが明かす
Czech Intelligence Reveals China Plan to Crash Into Taiwan Vice President-Elect

大統領就任式で手を振る新大統領・頼清徳(左)と新副総統・蕭美琴(2024年5月20日、台北の総統府前) REUTERS/Carlos Garcia Rawlins
<中国がヨーロッパで台湾要人の身を危険に晒すような事件を企てるのは前例がないと、チェコ軍情報局長は言う>
台湾の蕭美琴(シアオ・メイチン)副総統が就任前の昨年3月に東欧のチェコを訪問した際、在チェコ中国大使館の工作員が自動車事故を装って蕭を襲撃しようとしていたことが明らかになった。
チェコ軍情報局のペトル・バルトフスキー局長は、この計画の目的は蕭を脅すことにあったと主張。実行には至らなかったものの、ヨーロッパにおいて中国がこうした事件を企てるのは「前例がない」と述べた。
本誌は在チェコ中国大使館に電子メールでコメントを求めたが回答は得られていない。
中国は台湾を自国の領土の一部だと主張しているが、中国共産党が台湾を統治したことは一度もない。台湾は独自の司法制度や軍隊をもつ事実上の主権国家として機能しており、外交も独立している。
中国は他の国々に対し、台湾の高官と関わりをもたないようしばしば圧力をかけてきた。2022年にはリトアニアが台湾代表処(事実上の大使館)の開設を認めたが、「台湾」の名を冠していたことから中国は「1つの中国」原則への挑戦と見なし、リトアニアとの一時的に貿易を停止した。
蕭は昨年1月の台湾総統選で、民進党の総統候補だった頼清徳(ライ・チントー)とともに当選。チェコ・ラジオがチェコ軍の情報関係者の発言として伝えたところでは、チェコ訪問は当選後初の外遊だった。