ネタニヤフと米外交の舞台裏...「最後は自分の思い通りに」トランプを動かした男

イスラエルのネタニヤフ首相(写真左)は30年以上にわたり、米大統領としばしば激しく対立してきた。彼は米国の指導者を相手に説教し、反抗し、公私にわたって当惑させてきた。右はトランプ米大統領。4月7日、ホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
約1カ月前、イスラエルのネタニヤフ首相は窮地に立ったかに見えた。トランプ米大統領は中東歴訪で昔からの同盟国であるはずのイスラエルを素通りし、シリアへの制裁を解除した。さらには、イランの核問題で合意締結の見込みまで示したのだ。最大野党を率いるヤイル・ラピド氏は、ネタニヤフ氏が米国との関係を破壊していると非難した。
しかし米国は現地時間22日未明、イランの主要な核施設を空爆した。イランの核兵器開発を阻止するため、全軍事力を投入するよう米政府を説得するという数十年越しのネタニヤフ氏の願いがかなったのだ。歴代の米大統領との関係がいかに険悪であろうと、最終的には望むものを手に入れる、というネタニヤフ氏の真骨頂だ。
ネタニヤフ氏は30年以上にわたり、米大統領としばしば激しく対立してきた。彼は米国の指導者を相手に説教し、反抗し、公私にわたって当惑させてきた。それでも民主党政権であれ共和党政権であれ、米国の軍事援助はイスラエルにほぼ絶え間なく流れ込み、米国はイスラエルの主要な武器供給国であり外交の盾であり続けてきた。
ある国連高官はエルサレムで「ネタニヤフ氏はおそらく、常に乗り切れると考えているのだろう」と語った。