命がけで並ぶ配給所の列...イスラエル封鎖下のガザで起きていること
ガザの保健当局は9日、新しい配給システムが導入されてからの2週間、ほぼ毎日銃撃があり、物資を受け取ろうとしたパレスチナ人127人が死亡したと発表した。
人道支援団体「ノルウェー難民評議会」のヤン・エグランド事務局長は、配給システムが人道支援の中核を成す原則に違反していると批判。人々を死闘へと駆り立てるディストピア小説「ハンガー・ゲーム」に例え、「一握りの者だけが報われ、大多数は命を危険にさらすだけで何も得られない」と語った。
同氏は、国際人道法は戦乱地域での援助について、政治または軍事戦略の一部ではなく中立的な仲介者を通じて提供されるべきだと定めていると指摘した。
GHFは中立性に関する質問には直接回答せず、2週間で1100万人分の食料を安全に配給したと答えた。ガザの人口は約210万人。
飢饉のリスク
11週間にわたるガザの封鎖後、イスラエルは5月19日に国連主導の援助活動を限定的に再開させた。専門家はその1週間前、ガザに飢饉の危険が迫っていると警告していた。国連は、ガザに許可された援助は「大海の一滴」に過ぎないとしている。
国連の活動とは別に、イスラエルは従来の援助団体の頭越しに、GHFがガザで4つの拠点を開設することを許可した。情報筋2人によると、GHFの拠点は、米プライベートエクイティ企業が一部所有する米物流企業が監督しており、米軍出身の民間請負業者が警備を提供している。