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馬は人間の恐怖を「におい」で察知し、その影響を受け警戒を強める──「種を超えた感情伝染」と仏最新研究
WRCreatives-Shutterstock
<乗馬では「人が怖がると馬は扱いづらくなる」と言われてきたが、嗅覚によって人間の恐怖を感じ取り、その感情に影響を受けて行動を変化させるという研究結果が発表された。フランスの研究者たちは、どのような方法でそれを確かめたのか──>
2026年になって、はや一カ月が経とうとしています。今年の干支は午(うま)。ちなみに十二支と十干を組み合わせると、60年に一度の「丙午(ひのえうま)」になります。
江戸時代に「丙午生まれの女性は気性が激しく、夫を破滅させる」という迷信が始まり、前回の丙午の1966年や前々回の1906年には「女児の出産を避けて出生率そのものが下がる」という現象が見られました。ただ、一般にも科学知識が定着している2026年にはそのような事態は考えにくいでしょう。
再度「馬」に目を向けると、60年前との違いは何と言っても「ゲームやアニメなどがきっかけとなって、ウマを身近に感じる人が増えた」ことでしょう。ゲーム、コミック、アニメなどのメディアミックスで海外版も制作されるビッグ・コンテンツとなった『ウマ娘』は、実在の競走馬を擬人化したキャラクターやレースでの実話から「ウマそのものの可愛さや、人との関係性に興味を持つファン」を生み出しました。
馬と人には心が通じ合ったようなエピソードが多数あります。では、「感情を共有している証拠」は科学的に迫ることができるのでしょうか。
フランス国立科学研究センター(CNRS)乗馬研究所やトゥール大学による最新研究によると、馬は人間が恐怖を感じているかどうかをにおいで察知し、その感情に影響を受けて驚きやすくなったり警戒心を強めたりすることが明らかになりました。研究成果はオープンアクセスの学術誌『PLOS One』に1月14日付で掲載されました。
研究者たちはどのようにして「馬と人との感情の共有」を確かめたのでしょうか。概観してみましょう。
コミュニケーション能力の高い動物
馬は驚きやすい、繊細な性格を持つ動物として知られています。野生では草原で暮らしていて肉食動物に襲われやすいため、少しの異変でも素早く気づいて逃げられるように広い視野(約350度)や鋭い嗅覚(人間の約1000倍)とともに敏感な性質が発達しました。
さらに、馬は群れで暮らすため、コミュニケーション能力に長けた動物です。また、家畜化されて人と暮らすようになったのは紀元前4000年頃で、最初は食用でしたが、すぐに動力(騎乗、耕作)として利用されるようになりました。人の3歳児くらいの知能があると言われる賢さで合図や取り決めをよく覚え、人とも密なコミュニケーションが取れることが分かったからです。
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