最新記事
安全保障

アメリカも中国の「真珠湾攻撃」を受けかねない――ウクライナのドローン攻撃で米本土防衛の脆弱性が明らかに

'Russia's Pearl Harbor' Fuels Fears Over Chinese Cargo Ships at US Ports

2025年6月4日(水)17時47分
ジーザス・メサ
アメリカの港に停泊する中国コスコのコンテナ積載船

アメリカの港に停泊する中国コスコのコンテナ積載船。もしもここにドローンが隠されていたら?(2023年4月17日、カリフォルニア州ロングビーチ Photo by Image of Sport/Sipa USA

<「中国軍関連企業が所有・運営する船が、何千ものコンテナを積んでアメリカの港に平然と出入りしている現状は、常軌を逸している」と元司令官は指摘する>

6月1日にウクライナがロシアの複数の軍用飛行場に対して行った大規模ドローン攻撃は、最前線から約3000マイル離れた東シベリアにまで及び、軍事関係者に大きな衝撃を与えた。アメリカの軍事アナリストたちの間では、アメリカの港に停泊中の中国商船が同様の攻撃を仕掛ける可能性についての議論が再燃している。

newsweekjp20250604082827.png
ウクライナはロシア国内に隠しておいたドローンでロシアの軍用飛行場に駐機した戦略爆撃機を破壊した Ukrainian security service/AP // Governor of Irkutsk Region Igor Kobzev on Telegram

【動画】「ロシアの爆撃機が大量に燃えている」――ウクライナの大胆な奇襲作戦


このシナリオは、国防総省が「中国軍関連企業」と指定している国営海運大手コスコが、アメリカの主要港湾を使用している事実が確認されて以降、議員や安全保障専門家の間で注目を集めてきた。

問題は、これらの商船に積載されたコンテナ内にドローンや巡航ミサイルが隠され、遠隔操作あるいは陸揚げ後に起動されて奇襲攻撃に使われる可能性だ。

「これはアメリカ国内で起こりうる非常に現実的な攻撃シナリオだ」と、米ハドソン研究所の上級研究員で元アメリカ海軍士官のブライアン・クラークは言う。「ただし、いくつかのハードルがある」
「ドローンをコンテナから出す必要があり、船上ではそれを制御するのが難しい。より現実的な手段は、コンテナを陸揚げしてトラックに載せてからドローンを展開することだろう」

キャリア
AI時代の転職こそ「人」の力を──テクノロジーと専門性を備えたLHHのコンサルティング
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ホワイトハウス宴会場建設開始、トランプ氏「かつてな

ビジネス

インドネシア中銀、インフレ率維持なら追加利下げ必要

ワールド

原油先物が下落、供給過剰懸念

ビジネス

QT打ち切り、早ければ来週FOMCで発表か 金融調
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中