カナダ企業、関税巡る悲観見通しが後退 投資・採用は依然慎重=中銀調査

7月21日、カナダ銀行(中央銀行)が公表した最新の四半期調査によると、関税の影響で経済が最悪事態に突入する事態について、国内企業が見込む確率が3カ月前よりも低下したことが分かった。写真は5月、オタワの同行で撮影(2025年 ロイター/Blair Gable)
Promit Mukherjee David Ljunggren
[オタワ 21日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)が21日公表した最新の四半期調査によると、関税の影響で経済が最悪事態に突入する事態について、国内企業が見込む確率が3カ月前よりも低下したことが分かった。ただ企業は慎重姿勢を維持し、積極的な採用や投資は控えている。
以前の段階では企業の間に、米国の関税がカナダ経済を直撃し、インフレを助長して成長低迷と失業につながるとの懸念が広がっていた。
しかし今のところ関税の痛手は鉄鋼・アルミニウムと自動車に限定され、物価や雇用、マクロ経済は大幅に悪化していない。
今回調査でも、企業の短期的なインフレ期待は昨年末と同じ水準に落ち着き、景気後退を想定する企業も幾分減少した。
中銀は「関税措置とそれに伴う不確実性は企業の見通しに大きな影響を及ぼし続けている。しかし企業が3カ月前に想定していた最悪シナリオの蓋然性は下がっているように見える」と分析した。
関税関連のコスト増加を見込み企業は全体の約3分の1で、およそ3分の2だった3カ月前を下回った。
一方で1年前との比較で受注や売上高などの状況が悪化したと答えた企業は約35%と、状況が改善したという回答の29%より多かった。設備投資意欲も引き続き弱いという。