最新記事
ガザ

イスラエル主導の食料配給所は「野外処刑場」か? 飢えたガザ住民200人以上が銃撃で死傷

'The Witkoff Massacre': Hundreds Killed or Wounded as Israeli Forces Open Fire on Gaza Food Aid Site

2025年6月2日(月)18時44分
ジョン・クアリー

しかし、ネット上に投稿された現場の映像や目撃者の証言から、財団の主張は信憑性が乏しい。

法学教授でユーロメドの委員長を務めるラミー・アブドゥル博士は、殺害と混乱が起こった現場の映像を共有し、こう述べた。「アメリカとイスラエルの新しい大量虐殺戦略。それは住民を飢えさせ、援助を約束して誘い出し、そして殺すことだ」

この恐ろしい出来事を、アブドゥルをはじめ多くの人が「ウィトコフの虐殺」と呼んでいる。それはドナルド・トランプ大統領の中東特使スティーブ・ウィトコフが、ハマスとイスラエル政府の間の停戦交渉を仲介していることにちなむものだ。

AP通信の報道によれば、夜が明ける数時間前、数千人の住民が物資の配給所に向かった。イスラエル軍は配給所をめざす群衆に、解散し、後で戻ってくるように命じた、と目撃者は語った。午前3時頃、群衆が約1キロ離れたフラッグ交差点に到着すると、イスラエル軍が発砲した。

「海軍の軍艦、戦車、無人機など、あらゆる方向から砲撃があった」と、群衆の中にいたアムル・アブ・テイバは語った。

「銃で撃たれた少なくとも10人の死体と、女性を含む数人の負傷者を見た」。死傷者はカートで野戦病院へ運ばれていった。「現場はひどかった」

死傷者のほとんどは「頭、首、胸など上半身を撃たれていた」と、ナセル病院の保健省職員マルワン・アル・ハムズ医師は語った。多くの負傷者が、赤十字が運営する野戦病院に運ばれた後、この病院に搬送された。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

習首席が米へのレアアース輸出に合意、トランプ大統領

ビジネス

アングル:中国製電子たばこに関税直撃、米国への輸入

ワールド

日米関税協議、「一致点見いだせていない」と赤沢氏 

ワールド

米中、9日にロンドンで通商協議 トランプ氏が発表
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが、今どきの高齢女性の姿
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 4
    脳内スイッチを入れる「ドーパミン習慣」とは?...「…
  • 5
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 6
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    ガザに向かうグレタ・トゥーンベリの支援船から救難…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 5
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 6
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中