イスラエル主導「ガザ人道財団(GHF)」の援助物資配給はハマスあぶり出しと強制移住のための罠か
US- and Israel-Backed Gaza Aid Scheme Reportedly 'Being Used to Detain Civilians'

アメリカが支援イスラエル軍が運営する「ガザ人道財団」の初めての援助物資配給拠点に集まったガザの人々(5月27日、ガザ南部のラファ) REUTERS/Hatem Khaled
<国連を排除した新体制で初日を迎えた配給センターは飢えた人々が殺到して大混乱に。ハマスについての情報を聞き出すために連行され行方不明になった住民もいる。これはイスラエルが仕掛けた新たなガザ収奪のシステムなのか>
*This story originally appeared in Common Dreams on May 25, 2025. It is shared here with permission under a Creative Commons (CC BY-NC-ND 3.0) license.
イスラエルが主導しアメリカが支援する民間人道支援団体「ガザ人道財団(GHF)」はガザのパレスチナ人に援助を提供する名目で設立され、活動を開始したが、初日の配給から現場は「カオス」に陥った。
GHFが5月27日に行った報告によると、数カ月前から続く食糧不足に苦しみ、絶望的になった人々が、何時間もフェンスの囲いの中に「閉じ込められ」、米軍とイスラエル軍が実弾を発射した。そして、少なくとも1人がイスラエル情報部に「誘拐」されたと伝えられている。
ジュネーブに本部を置くGHFには、アメリカの民間警備業者がスタッフを派遣しており、27日に46万食以上の食料が入った8000個の食料箱を配布したと発表した。だがパレスチナ住民の中には、GHFの顔認識技術によるスクリーニングによって目をつけられることを恐れて、配布現場に近づこうとしない者もいるという。
イスラエル当局は、ハマスのメンバーが食糧を横取りしないよう、援助物資を受け取る人の身元確認をしていると述べた。調査報道機関ドロップサイト・ニュースのジェレミー・スケーヒル記者によれば、27日の朝、配給所でパレスチナ人男性が「食糧の箱を受け取りに行った際に誘拐された」という報告もあったという。